【ジャカルタ、シドニー=共同】インドネシア国軍の報道官は4日、オーストラリアとの軍事協力を一時停止したと発表した。報道官は理由を明らかにしなかったが、地元紙コンパスは人道主義や民主主義などインドネシアの国是をなす建国5原則(パンチャシラ)をオーストラリア軍が侮辱したことなどが背景にあるとしている。
コンパス紙はオーストラリア軍によるインドネシア特殊部隊への軍事教育時にインドネシア国軍の品位を落とすような教材があったほか、オーストラリア軍内部にパンチャシラを侮辱するような文書が存在していたと伝えた。
オーストラリアのペイン国防相は4日、防衛交流が一時停止されたと明らかにした上で「インドネシアと防衛協力を強化しようとしている」と述べ、関係を早期に修復したい考えを示した。
インドネシアは2013年にも、ユドヨノ大統領(当時)らの携帯電話の発着信記録などをオーストラリア情報機関が監視していたとして、合同軍事演習などを一時停止した経緯がある。