【ソウル聯合ニュース】韓国の報道機関各社が年初に次期大統領選の有力候補の支持率調査結果を発表した。大統領選の年が来たことを知らせる恒例の調査発表である。これを機に、大統領選への出馬を目指す人物らは本格的な選挙戦を準備する。今年も例外ではないはずだ。
聯合ニュースとKBSの共同世論調査の結果によると、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表の支持率が21.6%でトップとなった。潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長(17.2%)、李在明(イ・ジェミョン)城南市長(共に民主党、11.4%)、第2野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)前代表(4.6%)、忠清南道の安熙正(アン・ヒジョン)知事(4.6%)が後に続いた。潘氏が保守陣営から出馬し、そのほかの候補と一騎打ちとなると想定した場合、文氏は42.9%の支持を集め、潘氏(30.7%)を12.2ポイント上回った。李氏と潘氏の一騎打ちでは李氏が40.3%、潘氏が30.2%、安氏との対決でも潘氏は勝利できないとの結果が出た。次期大統領に求めるリーダーシップでは「民主的な意思疎通」(41.0%)、「経済」(34.1%)、「カリスマ型の決断力」(14.8%)、「南北統一・安全保障」(6.5%)などが挙げられた。任期5年で再任できない現行の大統領制を変更する改憲には賛成が65.4%、反対が28.2%となった。
今回の大統領選が持つ意味はいつもと異なる。朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件以降の新しい指導者を選出する選挙で、候補者の負担が大きく、悩みも深いはずだ。国民の要求に応えられる資質や能力、道徳性を見せなければならない宿題を抱えている。世論調査で次期大統領に求めるものとして「民主的な意思疎通」がトップになったのも、こうした状況と無関係ではない。「経済リーダーシップ」への要求が多かったのは、今年の韓国経済を悲観的に見ている人が多いためだろう。
その一方で、政界は旧態から抜け出せずにいる。文氏に近い「親文派」と「反文派」、「第3地帯」など、政治的な思惑に振り回され、民意はないがしろにしているとの指摘も出ている。大統領選の勝利にすべてをかけている動きが出ているが、目の前の選挙だけを見ることは長い観点からは良くない結果をもたらす懸念がある。「今回の大統領選では選ぶ候補者がいない」などという冷めた見方が広がっていることを肝に銘じなければならない。
大統領選の時期も依然不透明な状況にある。憲法裁判所の大統領弾劾案審理が残っており、予断できる段階ではない。歴代の大統領選をみると、各候補者の年初の支持率は大統領選での勝利を保証するものではなく、今後も浮き沈みがある。各陣営と候補者は世論調査の結果に一喜一憂せず、憲法裁の判決が出て大統領選の日程が確定するまで充実化を図り、国民のためとなる選挙公約を考えることに集中するべきだ。