【グローバルアイ】“口悪王”北朝鮮、トランプ時代に通じるだろうか

【グローバルアイ】“口悪王”北朝鮮、トランプ時代に通じるだろうか

2017年01月03日16時21分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  ドナルド・トランプ米大統領時代のキーワードの一つは「キレる」だ。トランプ時代を迎えて登場した最も独特な現象は、超大国米国の指導者が持っている不満を全世界がリアルタイムで分かるということだ。オバマ大統領が「私がまた出馬したなら、大統領選で勝利しただろう」というと、トランプ次期大統領は直ちにツイッターで「とんでもない話」と反論した。ビル・クリントン氏がトランプ氏は「よく分かっていない」と知的能力を問題にしたが、大統領選の直後にトランプ氏から電話を受けたと明らかにすると、トランプ氏はツイッターで「彼が私に電話をかけた。ビル・クリントン氏の方がよく分かっていない」と反論した。ツイッターに赤裸々で直接的な言葉が登場しているので、第3者の言葉を介してトランプ氏の考えを複雑に予測して解釈する過程が要らなくなる。

  米外交問題評議会(CFR)は、米国国内の専門家数千人を対象にアンケート調査を行い、米政府が最優先して遮断すべき国際的危機7つに北朝鮮問題を入れた。核・大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射、軍事挑発、内部の政治不安など北朝鮮危機が、トランプ政府の最も喫緊な懸案に含まれるだろうという報告書を出した。

  だが、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は、すでに1日の新年の辞で「大陸間弾道ロケット」の試験発射が最終段階に入ったと主張した。トランプ政府の発足直後、北朝鮮のICBM挑発により、北朝鮮と米国の関係が予断を許さない局面に発展する可能性があるということを予告したものだ。ところで、予断を許さない状況をより悪化させ得る変数がもう一つある。北朝鮮の言語挑発だ。北朝鮮は、思うままにならないと、独特な表現を引き出して露骨に誹謗することに優れている。軽々しい〔金泳三(キム・ヨンサム)元大統領〕、売国奴〔金大中(キム・デジュン)元大統領〕など韓国の歴代大統領に向かって激しい抗議をはばからず、大統領選に飛び込んだ潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長も「親米に躍起になった特等走狗」と非難した。北朝鮮は米国大統領を狙っても想像を超える口の悪さを見せた。オバマ大統領を「雑種」「ピエロ」と誹謗し、さらには「サル」と呼ぶこともあった。オバマ政府はこれを最初から無視した。

  だが、トランプ政府は無視して通らない可能性もある。大統領本人が耐えられない可能性が高い。トランプ氏は大統領選の期間中に「私はカウンターパンチャー」と何度も繰り返してきた。攻撃を受けたり非難を聞いたりすれば、それ以上にやり返すという意味だ。

  北朝鮮を長い間経験した韓国国民は、今は北朝鮮の言語挑発に慣れてしまっている。だが、北朝鮮と初めて接する米国大統領には全く違う感覚として受け止められる可能性がある。現在まで北朝鮮はトランプ氏を相手に過去のような汚い言葉を駆使してはいない。だが、北朝鮮の前例から見れば、本音を露わにするのは時間の問題だ。韓国で新たな大統領が就任するたびに、北朝鮮はしばらく時間を持って誹謗中傷を始めた。北朝鮮が今回も過去のようなパターンを繰り返す場合、トランプ政府との間でどんなことが起こるか不安になる。

  チェ・ビョンゴン ワシントン特派員
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