【社説】韓半島で覇権争いの動き見せるトランプ氏と習近平氏

 このようにトランプ政権発足前にもかかわらず、米中両国は年頭から韓半島問題をめぐり、警告し合うという現象が起こっている。まるで2人のストロングマン(strong man=力持ち、または力で支配する政治指導者)が覇権争いを韓半島で始めそうな雰囲気だ。特に、トランプ氏が台湾に接近していることで「一つの中国」の原則が揺らげば、習近平中国国家主席が北朝鮮との関係改善により、これに対抗する可能性も捨てきれない。そうなれば、韓国は米中両国の確執による被害をそのまま受けるしかない。国のリーダーシップ不在や新政権初期の混乱が続けば、何が起こるか見当も付かない。

 韓国の安全保障の中枢は韓米同盟しかあり得ない。この柱が揺らげば収拾がつかなくなる可能性もある。韓米同盟という土台の上に立ち、韓中関係の賢い出口を模索しなければならない。米国との関係をさらに強化することで、中国との危機的状況に対処している日本の安倍晋三首相の政策を参考にする必要もある。韓国が米中間の対立の犠牲にならないようにするには、何よりも国論を一つまとめなければならず、その国論をもとに政府が重心をつかみ安定しなければならない。韓国の政界がこの問題を重く受け止め、十分すぎるほど慎重に対応するよう望むばかりだ。

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