福島県も「医師確保」支援 広野・高野病院、院長が火災で死亡
東京電力福島第1原発事故後に避難せず診療を続けてきた高野病院(広野町)の高野英男院長(81)が昨年12月30日の火災で亡くなり常勤医が不在となっている問題について、内堀雅雄知事は4日の年頭記者会見で「国と県、福島医大が連携し医療法人の意向を確認しながら医師確保に向けた支援を行う。今後、具体的に詰めて形をつくりたい」と述べ、支援の在り方を検討する考えを示した。
支援の具体策について県は、高野病院を運営する医療法人社団養高会に今後の運営方針を確認した上で検討する。同病院は原発事故後、双葉郡で唯一入院患者を受け入れており、県は「早急に対応していきたい」(地域医療課)としている。県が民間病院を個別に支援するのは異例。
高野院長に対し内堀知事は「地域医療のとりでとして役目を果たしていただいた」と悼んだ。病院の存続については「双葉地域の医療を守りたいという思いは同じ。関係者が力を合わせ一定の方向性を見いだしたい」と述べた。
同病院の短期的な医師確保を巡っては、支援する会が応援の医師を募っており、町が医師の交通費と宿泊費を負担する方針を示している。会長の遠藤智広野町長は「県と緊密に連携しながら取り組む」と述べた。同会によると、全国から延べ20~30人の医師が協力する意向で1月中は診療を続けられる見通し。しかし病院存続には常勤医の確保が不可欠となる。
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