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食える噺家は100人だけ、落語界昇進制度の歪み

「週刊ダイヤモンド」2016年7月9日号特集「落語にハマる!」より

週刊ダイヤモンド編集部
2017年1月4日
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 落語家が高座に上がったときに、「前座、二ツ目、真打、ご臨終と申しまして……」とまくらを振ることがあるが、この言葉通り、落語家に定年はない。

 70代~80代の落語家はバリバリの現役だ。年功序列がまかり通っている落語界では、完全に上がつかえてしまっている。

 にもかかわらず、高齢化は加速するばかりで、真打大量増殖は一層進む。真打が頭でっかちとなる逆ピラミッドの構図が解消する兆しは見えない。

 一般企業では、50代ともなれば中堅だったり責任あるポストに就いていたりするもの。だが、落語界ではいまだに若手。リーダー的存在の落語家でも“若手界の大御所”と皮肉られるなど、いよいよ、健全とはいえないいびつな年齢構成になっている。

 一番深刻な問題は、落語家の懐事情だろう。ほんの一握りの人気真打を除けば、特に新米真打には仕事が回ってこない。落語一本で生計を立てられるのは、多く見積もっても上澄みの100人だといわれる。となれば、「好きこそ物の上手なれ」などと悠長なことは言っていられない。

貴重な収入源はホール落語と地方公演

 では、実際には、落語家の稼ぎはどうなっているのだろうか。

 落語家の収入源は、大まかに言って三つある。寄席のギャラ、ホール落語・独演会のギャラ、出張落語のギャラの三つである(ちなみに、東京の寄席に出られるのは、東京では落語協会と落語芸術協会の所属落語家のみ)。

 まず、寄席のギャラの相場は幾らぐらいなのだろうか。

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