「つながる車」の業界標準 トヨタ、“数の論理”で先手打てるか
トヨタがライバルのフォードと「つながる車」の分野で手を組むのは、同分野の規格作りで先行する米IT大手にくさびを打つ狙いがある。
スマホ用基本ソフト(OS)の2強であるグーグルやアップルはつながる車でも標準化に動いており、トヨタは自動車連合による“数の論理”で共通技術を「事実上の業界標準」にさせたい考えだ。
「コンソーシアムを通じ協力できることを大変喜ばしく思う」。トヨタでつながる車の責任者を務める友山茂樹専務役員は、4日の声明でこう述べた。IT大手に頼らない、自動車メーカー主導の技術標準化に向けた道が開かれる可能性が生まれたからだ。
トヨタはかねて、先進技術では自前にこだわらない姿勢を示してきた。豊田章男社長も、スズキとの提携検討を発表した昨年10月の記者会見で「標準化には仲間づくりが重要な要素になってきた」と認めた。
業界の今後の競争力を左右する自動運転やつながる車では、まだ事実上の業界標準が定まっていない。そこで、トヨタはまず実用化が進むつながる車での仲間集めを先行させた。今回の事業体に参画する自動車会社の合計の世界販売台数は2千万台以上になる。(今井裕治)