マイクロサービスアーキテクチャに最適化したJavaを実現するための「MicroProfile」、Eclipseの正式プロジェクトに

2017年1月5日

Javaで業務アプリケーションを構築する場合には、一般にフレームワークとしてJava EEが採用されることが多いでしょう。しかしJava EEは業務アプリケーションに求められる機能を幅広く網羅した大きなフレームワークであることから、より軽量なJavaフレームワークへのニーズも根強くあり、実際に軽量な業務アプリケーション向けJavaフレームワークもこれまでにいくつも登場してきました。

また、Java EE自体もそうした軽量なフレームワークへのニーズに応えるため、特定の機能を抜き出してまとめる「Profile」という概念を採用するようになりました。例えばWebアプリケーションに最適化した「Java EE Web Profile」などはその一例です。

Microservices Architecture(マイクロサービスアーキテクチャ)に対応したアプリケーションをJavaで構築するためのProfileである「MicroProfile」が2016年6月に提唱されたのは、こうした中でJavaをマイクロサービスに対応させるための共通仕様を構築しようと、IBMやRed Hat、Payara、ロンドンJavaコミュニティなどのベンダとコミュニティが協力したためです。

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このMicroProfileを充実させるためのプロジェクトが2016年12月16日、Eclipse Foundationの正式なプロジェクト「Eclipse MicroProfile」として承認されました。

マイクロサービスアーキテクチャを簡単に説明するとすれば、サービスに分かれた多数の小さなコンポーネントをAPIによって連携させることで、システムを構築していくものと言えるでしょう。Eclipse MicroProfileはそうしたアーキテクチャの実現に最適化したEnterprise Java環境を構築することを目指しており、ゴールとして下記のようにポータビリティや相互運用性などを提供することが設定されています。

Java EEは昨年、開発が遅延しているとコミュニティから指摘され、9月のJavaOneでオラクルがそれに応えるように新たなロードマップを発表。今年2017年末までに次バージョンのJava EE 8の開発を終え、2018年にはJava EE 9が登場するとしています。

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停滞していたJava EEは、この半年で再び最新技術をキャッチアップしようという動きが見えてきました。この動きが実際の成果に結びついていくかどうか、今年はJava EEにとって重要な年になりそうです。

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タグ : Java , Java EE , Microservices



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