米軍のグアンタナモ収容所 閉鎖は極めて困難に

米軍のグアンタナモ収容所 閉鎖は極めて困難に
テロ組織との関係が疑われた外国人を収容している、アメリカ軍のグアンタナモ収容所について、オバマ大統領は閉鎖を目指してきましたが、実現は極めて困難な状況で、人権団体は「閉鎖できなければ、トランプ次期大統領のもとで多くの人が不法に拘束される」と懸念しています。
キューバにあるアメリカ軍のグアンタナモ収容所には、2001年の同時多発テロ事件のあと、テロ組織との関係が疑われた外国人およそ800人が収容されましたが、拷問のような取り調べが行われたことが明るみに出て、アメリカの信頼が失墜しました。

このためオバマ大統領は、就任直後から閉鎖を目指し、収容者の第三国への移送などを進めてきました。任期満了までに収容者をさらに減らすことにしていますが、それでもおよそ40人は残る見通しで、このうちテロ組織のメンバーなどをアメリカ本国に移す計画に議会が反対していることから、閉鎖の実現は極めて困難な状況です。

こうした中、トランプ次期大統領は3日、ツイッターで「収容者をこれ以上釈放すべきでない。非常に危険だ」と述べ、収容所を存続させる考えを示しました。

一方、国際的な人権団体、アムネスティ・インターナショナルは同じ日、オバマ大統領に書簡を送り、「あらゆる手段を使って施設を閉鎖してほしい。失敗すれば、トランプ次期大統領のもとで多くの人が不法に拘束され、拷問を受ける可能性もある」と懸念を示しました。