去年、深夜番組のノリで、肩書きを『芸人』から『絵本作家』に変更して、その翌日には、『パインアメ特命配布主任』に変更したら、結構な数の大人が「お前は何がしたいんだ!」とブチキレて、ワイドショーとかでもチクチク言われたんだけれど、ここでキレちゃう人の感覚が糞ヤベーと思った。

なんで、そこまで他人の肩書きに興味が持てるの?
そもそも『肩書き』ごときに、なんで、一喜一憂できるの?

芸人の僕なんかよりもペンを握っている時間が短いイラストレーターなんて世の中にはゴマンといるし、
パインアメの特命配布主任の僕よりも文章が下手くそなライターもゴマンといる……いや、違うな。
能力で語ると《好き・嫌い》でボヤけちゃうから、「費やしている量(時間)で統一しよう。

もとい!

パインアメの特命配布主任の僕よりも、文章を書いている時間か短いライターはゴマンといる。
ライターとして食っていく為に、カラオケBOXのアルバイトをしていたりするから。
その人がアルバイトをしている間、僕は文章を書き、ときどき売っている。

僕に限った話ではない。

又吉君より書いていない小説家はいるし、
オリラジ中田より音楽に向き合っていないアーティストもいる。

こうなってくると、肩書きなんぞには何の価値もない。何の信用もない。
大切なのは、「何者であるか?」ではなくて、「何ができるか?」だ。

くわえて、これからの時代、
ロボットが猛スピードで人間の仕事を奪っていくから、あなたの名刺に書かれてある肩書きごと無くなってしまう可能性もある。
当然、しばらく無くならない肩書きもあるんだけれど、踏まえておかなければならないのが、「肩書が無くなりやすい時代に突入した」ということ。

ホラ、ときどき、
「やりたいことが見つからない」と言う若い子達を指して、
『ゆとり世代』だの、
『さとり世代』だの、
『草食系』だの、
「夢を持て!」だの、
なんか、それっぽいことを言うオヤジがいるでしょ?
まぁ、世間のほとんどの方がそうなんだけども。


アイツら全員、バカじゃねえかと思ってます。


今の時代に生まれてみれば分かる。
スマホが猛スピードで、いろんな肩書きを終わらせていっている。
今の時代に生まれて、
「町の写真屋さんになりたい!」と言えるかな?
『ロボットタクシー』という言葉が飛び交いはじめている中で、「タクシードライバーになりたい!」と言えるかな?

目撃してんだよ。肩書きが終わっていく瞬間を。

そんな時代に、「何者か?」を問うて、夢を語らせて、職業を一つに絞らせるなんてメチャクチャなことをやっちゃってるよ。

「やりたいことが見つからない」というのが、今の時代に合った、一番正しい答えだと思う。

転職当たり前。
副業当たり前。
広い意味で起業(スタートさせることを)当たり前。
肩書きをヒョイヒョイと飛び越える癖をつけて、起業する(スタートさせる)癖をつけて、「お前は何者なんだ!?」と問い詰める癖を捨てないと、これから、かなり苦しくなってくると思う。


極めつけに、も一つ言っておくと、
僕らは、寿命がバカみたいに伸びた。
平気で100歳まで生きる。
んでもって、これを、地球史上、誰も経験していない。
国民のほとんどが老人になる時代を、幸か不幸か、僕たち人が初めて経験することになる。前例がないんだ。

60歳で退職してから、40年間生きるんだぜ。
20歳から40年間働いて、あと40年間が老後だ。
当然、年金なんぞで回転するハズがない
その時、一番苦戦するのが、起業グセがついていない《一つの肩書きに固執してきた人》だろう。
イチローは大丈夫。40年分の貯えがあるから。しかし、イチローを、イチローだけを「正解」としてしまった人はどうだろう?
たぶん、厳しいだろうな。

ご長寿先進国の日本がやらなきゃいけないことは『肩書き』の概念を捨てることだと思う。
さいあく、肩書きを捨てないまでも、
肩書きを越境して活動する人を非難する癖だけでも捨てるべきだと思う。
いや、まさか「僕のことを非難しないで」と言ってるんじゃないよ。
そうしないと、あなたの首が絞まるから。確実に。

そんな思いから、『魔法のコンパス』という本を書きました。
そうです。ステマです。

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