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無形民俗文化財の伝統行事、20県で60件休廃止

2017/1/3 22:02
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 都道府県が無形民俗文化財に指定した祭りや踊りなどの伝統行事のうち、継続的な実施が難しくなり休廃止されたものが20県で計60件あることが3日、共同通信の調査で分かった。

 日本の代表的な祭りを集めた「山・鉾(ほこ)・屋台行事」が2016年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたが、都道府県指定の地域行事は継続が困難になっている実態が浮き彫りになった。

 文化庁によると、都道府県指定の無形民俗文化財は2016年5月時点で1651件ある。休廃止事例が多い県への聞き取りでは、背景として過疎や少子化、若者の都市部への流出などによる担い手減少を挙げる声が目立った。学校での体験や地域外からの参加者募集などを通じ、伝統の継承を目指す地域が増えている。

 このほかに全国の市町村が指定した無形民俗文化財指定が同時点で6264件あるが、より零細な行事が多く、休廃止も多数あるとみられる。

 調査は16年11、12月に全都道府県を対象に実施。現在の保護制度が整った1975年以降、実施されなくなり指定を解除した行事(廃止)と、実施されなくなったが再開の可能性もあり指定を維持している行事(休止・中止)の数を尋ねた。国の文化財に指定されたのに伴い、都道府県指定を解除したものは除いた。

 60件のうち廃止は4県の計6件。千葉県は白井市の神楽など3件あった。獅子舞に歌舞伎の要素を取り入れた愛知県蒲郡市の獅子芝居、長崎県対馬市の漁労習俗、大分県佐伯市のつえ踊りも廃止された。

 休止・中止は17県で計54件あった。県別では熊本11件、宮城、和歌山各8件、千葉、福井、奈良各4件など。〔共同〕

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