ニューヨーク・タイムズ
2017年1月2日17時29分
米次期大統領ドナルド・トランプは、とっくに「壁」を造っていた。といってもメキシコ国境の壁ではなく、海の向こう、英スコットランドでの話。ゴルフ好きなトランプが高級ゴルフコースを造成した際、立ち退きを拒んだ地元の民家との間に「壁」を造って、海を見えなくしたのだった。しかも――
トランプは「壁」を造ってから、その住民に建設費を請求した。
ある日のこと、健康・安全コンサルタント兼作家のデービッド・ミルンと妻のモイラが仕事から帰宅すると、庭を囲むようにフェンスが建設されていた。すでにトランプ側の弁護士から、ミルンの自宅の車庫の一角がトランプの所有地に食い込んでいるので法的措置を講じた、と脅されていた。フェンス工事もトランプ側の手で行われ、そばには大きな木が2列にわたって植えられた。見晴らしはさえぎられた。自宅の水と電気も一時遮断された。しかもその後、フェンス工事費として3500ドル(1ドル=115円換算で約40万円)の請求書がミルンに郵送されてきた。夫のデービッドは、そのまま請求書をゴミ箱に投げ捨てた、と言う。
「見てみろ、メキシコだって払…
残り:3446文字/全文:3906文字
新着ニュース
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞国際報道部