ランテパオ=古谷祐伸
2017年1月4日00時26分
大きな角を生やした水牛が数百頭、水浴びしている。隙間を、水牛を売り買いする人々が行き交う。
インドネシア・スラウェシ島中部の山岳部、トラジャ地方。中心都市ランテパオにあるサッカー場ほどの野外市場は昨年12月の朝、ごったがえしていた。
「ボンガ(白黒のまだら模様に青い目)だよ」「角が丸く弧を描いているよ」
買い手たちを立ち止まらせている売り文句は、水牛の重量や肉質ではない。角の形や肌の模様、目の色、背中の形など、外見だ。
近郊のタルンリップ村で息子夫婦と一緒に細々と稲作をしているマーサ・サンペさん(72)がこの日、3500万ルピア(約30万円)の大金で買うと決めた1頭も、決め手は背中に6個あるこぶ状の肉の隆起。
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朝日新聞国際報道部