韓経:「4低トラップ」の韓国、第4次産業革命に答えを探せ

韓経:「4低トラップ」の韓国、第4次産業革命に答えを探せ

2017年01月03日13時27分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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  韓国経済は今年、過去初めて3年連続2%台の成長率にとどまると予想されている。投資と輸出のほか、消費も沈滞し、反騰は容易でない状況だ。国内外のリスク要因が増え、「視界ゼロ」状態という診断もある。

  経済専門家らは韓国経済の体質改善が急がれると口をそろえた。金俊経(キム・ジュンギョン)韓国開発研究院(KDI)院長は「産業構造改革と規制緩和、競争促進など、韓国経済全般の構造改革を持続的に推進する正攻法が必須」と述べた。続いて「速いペースで高齢化が進み、成長潜在力が落ちている」とし「第4次産業革命でその空間を埋めなければいけない」と話した。

  玄定沢(ヒョン・ジョンテク)対外経済政策研究院長も経済体質を変えるべきだと強調した。玄院長は「製造業だけではこれ以上経済を牽引できない状況」とし「サービス産業の育成などを通じた本質的な体力改善を優先順位に置かなければいけない」と述べた。また「経済が知識サービス産業を中心に発展しなければならず、このために金融・通信・教育・文化・医療など関連産業すべての規制を緩和し、自律性を高める必要がある」と主張した。

  権泰信(クォン・テシン)韓国経済研究院長は経済体質を改善するために具体的なビジョンを提示すべきだと述べた。主に力を注ぐべき分野には▼第4次産業革命▼製造業とモノのインターネット(IoT)の融合▼サービス産業の活性化--などを挙げた。権院長は「世界最高レベルの情報通信技術(ICT)を基礎に競争力を確保するのが有利なモノのインターネットに力を集中し、医療・観光・教育など高付加価値サービス業ではアジア市場を先に掌握する戦略がよい」と話した。

  短期的には景気減速に積極的に対応するべきだという主張もあった。辛星煥(シン・ソンファン)韓国金融研究院長は「今は成長率を高めるよりも下方リスクに対応することが重要だ」とし「政府は財政支出を拡大した後、安全・教育など成長潜在力を高めることができる分野に集中投入し、個別消費税の引き下げなどで消費を促進する必要がある」と説明した。

  「消費の崖」を防ぐための家計負債管理の重要性も提起された。康仁洙(カン・インス)現代経済研究院長は「負債が多い限界世帯が増えれば消費が冷え込むだけでなく、社会の不安も深まる」と懸念を表した。金俊経院長も「政府の財政と通貨政策の間の協調を通じて経済主体の心理が冷え込むのを防ぐべきだ」と語った。

  輸出は今年改善する見込みだ。輸出は昨年まで2年連続で減少した。2年連続の減少は1957-58年以来58年ぶり。しかし主要経済研究機関は輸出が今年は増加に転じると予想した。政府も2.9%増と予測した。兪炳圭(ユ・ビョンギュ)産業研究院長は「輸出で活力をより高めるために輸出品目と輸出国を多角化するのがよい」とし「そのために企業は輸出製品を差別化する努力が求められる」と述べた。
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