THAAD:「配備先送り」共に民主議員8人が訪中へ、中国政府は歓待

 韓国野党、共に民主党の国会議員8人が4日から6日まで中国を訪問し、王毅外相らと終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題について意見交換する予定だ。THAAD問題をめぐる民主党議員の訪中は昨年8月に続き2回目となる。議員らは次期大統領選で有力候補と目される文在寅(ムン・ジェイン)元代表の「THAAD配備は次の政権に先送りすべきだ」とする主張を中国側に伝える予定とされ、論議を呼びそうだ。

 訪中するのは、宋永吉(ソン・ヨンギル)、兪銀恵(ユ・ウンヘ)、尹官石(ユン・グァンソク)、朴釘(パク・チョン)、朴賛大(パク・チャンデ)、申東根(シン・ドングン)、柳東秀(ユ・ドンス)、鄭在浩(チョン・ジェホ)の各議員で、北京で王外相をはじめ、外交・通商閣僚と会見する予定だ。孫議員は「THAAD配備決定以降、中国人観光客が前年同期比で28%減少し、中国人が主に利用してきたソウル市内の免税店では中国人に対する売り上げが26%減少。百貨店の中国人に対する売り上げも約25%急減した」とした上で、「経済・文化だけでなく、民間交流協力まで制限を加える中国政府の措置を中断するよう申し入れてくる」と説明した。

 今回の訪中には盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で統一外交安保戦略秘書官を務めた朴善源(パク・ソンウォン)盧武鉉財団企画委員も同行する。朴委員はイ・ジョンソク元統一部(省に相当)長官とともに盧武鉉政権の外交・安全政策で中心的な役割を果たした。朴委員は今回の訪中で、「THAAD配備問題は次の政権に先送りすべきだ」とする文元代表の立場を説明する方針とされる。

 中国側も次期大統領選の有力候補の立場を代弁する民主党議員を政治的に利用する可能性が高い。韓国外交部関係者は「中国政府が民主党議員を歓待し、現政権のTHAAD政策を批判するとみられる」と述べた。民主党のベテラン議員も「中国当局に利用されるのが明らかなのに、なぜ今訪中するのか理解できない」と批判した。

朴国熙(パク・グクヒ)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース