以下の記事(1月2日)で、自己紹介を通して、相手に「なるほど、この人は○○な人なのだな」と認識してもらうための方法について書きました。
まとめると、自己紹介とは、「なるほど、この人は○○な人なのだな」という自分にとって“正しい”ラベリングを施した「自分の印象」を相手の心の内に可能な限り長く留めてもらおうとすること、と言えます。
このとき「○○な人」の「○○」はそもそもどのようにすれば見つけられるでしょうか? これについては実はその前日の記事(1月1日)で書いています。
時間のある限り、くり返し引き続けることができる「くじ引き」のごとく、また別のテーマで書いてみればいいのです。
かなり早い段階で「当たり」を引く人もあれば、「はずれ」をすべて引き尽くして最後に「大当たり」をものにする人もいます。
20代で起業して上場させてしまう人もあれば、52歳になるまでうだつの上がらない日々を過ごしたのちに満を持して世界的なハンバーガーチェーンという成功を手にする人もいます。
書かずに考えているだけでは、引いた「はずれ」くじを箱に戻すようなもので、同じ「はずれ」を引き続けてしまうことになりかねず、しかもそれに気づかないかもしれません。堂々巡りに陥ってしまうのです。
だから、まずは書いてみる。
「当たりが出るまで引き続け」ればいい、ということです。
とはいえ、闇雲に手当たり次第に書きまくるのはやはり非効率。
そこで、自己紹介において堂々と相手に伝えられるような、自分にとってしっくりくるテーマを見つけるための質問を4つ、ご紹介します。
- 1.それをせずにはいられないほどに大好きなことは?
- 2.すでに習慣として定着していることは?
- 3.好むと好まざるとにかかわらず毎日やらねばならないことは?
- 4.偽物を見るとイラッとくることは?
1.それをせずにはいられないほどに大好きなことは?
多くの人がブログを始めようと思い立ったときに真っ先に思い浮かぶテーマ候補です。
が、意に反して数本から数十本の記事を書いたところで気が済んでしまって、それ以上書けなくなることがあります。
このあたりの感覚については、以下の一節が極めて的を射ています。
ミュージシャンにかぎらず、ものをつくる人に多いのが、「訴えたいことがある」 「社会に警告したい」 「自分を表現したい」とまあ、そんな動機で始める人です。
だいたいアーティストを気どったところで、学生時代から 腹にため込んでいた、いいたいことなんて十数曲も書くと なくなるのです。
最初こそ、水源豊かな泉のようにこんこんと湧き出ていた アイデアが、あるときばったり出なくなる。どんなにすごい アーティストでも二十曲も書くと、訴えたいこと、いいたい こと、警告したいこともすべて言い尽くしてしまったと 気づくのです。
──『一番になる人』より
大好きなことはほかにもあるはずなので、その中から「次」をピックアップします。有象無象の中から適当に拾い上げるよりも「当たり」を引く確率は格段にアップするはずです。
2.すでに習慣として定着していることは?
意外と見落としがちなテーマです。
習慣として定着しているために、あまり意識を向けなくなっていることが多いからです。
これを見つけ出すためには、朝起きてから寝るまでの自分の行動をすべて記録に取って、ふり返るしかありません。
つまり、自分の行動を客観的に見つめなおすわけです。そういう意味では誰かに質問をしてもらって、ツッコミを入れてもらうとはかどります。
- ええっ! それはいつからやっているんですか?
- どうして続けようと思ったんですか?
- 続けるコツは何かありますか?
- やめたくなったことはありませんか?
こういった質問に答えた内容がそのまま記事になるでしょう。
例えば、以下の記事はまさにそういう風に書かれたであろう記事です。「10時まで寝ていたあなたが、いったいどのようにして朝4時台に起きられるようになったというのですか?」という質問の答えだからです。
» 10時まで寝ていた私が朝4時台に起きられるようになった4つの工夫
3.好むと好まざるとにかかわらず毎日やらねばならないことは?
多くの場合、これは「仕事」ということになるでしょう。
一日の大半の時間を費やしている活動なので、必然的に得意になりますし、関連する知識も豊富に持ち合わせているでしょう。
ただ、それを「売り」にしたいと思えるかどうかは考えどころです。会社で仕事をして帰ってきて、引き続き自宅で仕事についてのブログを書くということになるからです。
4.偽物を見るとイラッとくることは?
実はこれがもっとも強力なヒントです。
人は「明らかに間違っている情報」を見つけたときに、放置できないのです。
- なぜこんな間違った情報が我が物顔で流通しているのか!
- 許せない!
- 正さなければ!
このような、ふつふつと沸き起こる感情がアウトプットの源泉になります。
「イラッとくる」ということは、すなわち「自分が正解を知っている」ということを意味します。
例えば、以下の記事ではまさにこのエネルギーが爆発しています。
» 健康関連情報サイトの内容は正しいか?最近目立つ無責任なWELQ「ココロとカラダ」徹底チェック(怒)!! | 五本木クリニック | 院長ブログ
最近目につくWELQという健康情報サイトは正確か?かなりいい加減だぞ!!(怒)
ただ、ここまでヒートアップするのはさすがに穏やかではありませんので、通常運転の際にはもう少しマイルドなほうがいいと個人的には思っています。
例えば、以下の記事くらいのトーンであれば、「間違えやすいところなので、注意しましょうね~」という情報提供になっていて、読む側としても心穏やかでいられます。
それでも、書く側としては「おい! これはいくらなんでもおかしいぞ!」という軽い苛立ちがあったはずです。
» 小規模企業共済の節税効果は掛金が所得控除されることというのは実は間違いー全額損金を過大評価して損をするな
退職金制度のない個人事業主や中小企業経営者の退職金の準備が節税しながらできると人気の「小規模企業共済」
その節税の仕組みは「掛金の全額が所得控除の対象となること」と説明されます。
ただ、この説明がどうも腑に落ちない。そこで、小規模企業共済の本当の節税効果とは何なのかを生命保険による役員退職金の準備プランと比較しながら考えてみようと思います。
この「イラッとドリブン」とでもいうべき事象については以下の記事でも触れています。
根底に確たる核としての「イラッ」があって初めて、そこから推進力が生まれます。
ブログであれば、書き続ける理由になりますし、事業であればお金以外のモチベーションになります。
間違った考え方が広がっていくことに耐えられない、だから自分が発信する、あるいは事業を起こすことを通して食い止めよう、とするわけです。
まとめ
というわけで、「自分にとってしっくりくるテーマを見つけるための4つの質問」をご紹介しましたが、時間がない方は4つ目の質問に答えるだけでもいいと思います。
ぜひイラッとしたことをそのままにせず、アウトプットにふり向けていただければと思います、ただし、なるべく穏便な書き方で…。
参考文献:
途中、引用をご紹介した『一番になる人』。すでに9年前に紹介記事を書いています。
本書全体に貫かれているのは、次の2つの姿勢です。
1.凡人であるところの現実を受け入れること
2.今を乗り切るための“ショートカット”を外に求めないこと「自分には才能があるから」「これは自分の天職だから」といった“勘違い”に気づき、与えられた環境の中で試行錯誤を積み重ねていくしかない、という厳しい現実認識は、一見するとストイックに映りますが、むしろポジティブ思考の裏返しとも受け取れます。
(中略)
誰かに教えてもらわずとも、必ず自分で見つけることができる、という確信があるからこそ、そのプロセスがいかに険しくとも楽しむことができるのでしょう。
同じことが逆からもいえます。プロセスを楽しめるからこそ、確信が持てるのです。
01月14日(土) クローズ・リストを極めるための2冊《プロジェクト編》
今回のテーマは、前回に引き続き
-クローズ・リストを極めるための2冊
ということで、以下の2冊に迫ります。
●『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』
●『仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則 完全版』
今回は特に「プロジェクト」の進め方について掘りさげます。
この2冊の共通点は、「クローズ・リスト」です。
クローズ・リストとは一日に取り組む仕事の量を一定の基準で制限し、それ以上の追加を許さないという文字通り「閉じたリスト」を指します。
言い換えれば、抱える仕事量を自分の処理能力の範囲内に収めることで、仕事を確実に終わらせるための方法ということになります。
クローズ・リストを身につけ、そして極めることができれば、「仕事に追われるモード」から脱却し、「仕事を追いかけるモード」に形勢を逆転することができます。
この形勢逆転を実現するための考え方とやり方を、今回の2冊の中から抽出したうえで解説します。
また、今回の2冊のうち1冊『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』は佐々木が執筆・大橋が監修を務めており、内容については誰よりも詳しくかつ分かりやすくお伝えすることができます。
さらに、もう1冊の『仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則 完全版』の内容についても、佐々木と大橋が8年以上にわたって折に触れてブログやセミナーの中で言及してきており、もはや専門分野といってもいいレベルです。
そんな佐々木と大橋がこの2冊の本の読み方と役立て方をお伝えします。
この2冊をまだお読みでない方はもちろん、すでに読んでみたものの、なかなか実践に移せていない、という方はぜひご参加ください。
※ご参加に際して、課題図書のどちらか1冊を当日ご持参ください(KindleでもOK)。
好評いただいている個別相談の時間もご用意していますので、知識としては理解できているとは思うものの、なかなか実践に結びつけられず苦戦している、という方は、ぜひこの機会にブースターとしてご活用ください。
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映画はそんな疑似体験のためのかっこうの手段といえる。
映画は2時間前後という尺...