したたか米中 習近平とトランプ急接近で日本は孤立化する
台湾総統との電話会談後、「一つの中国」政策について、「必ずしも堅持する必要はない」と、中国を“挑発”したトランプ。南シナ海では米国の無人水中探査機が中国に拿捕される事件も起きたが、今後、米中対立が深まる可能性はあるのか。
米中の亀裂が深まった場合に考えられる展開は、「中国が保有する約130兆円の米国債の売却」「南シナ海での軍事衝突」――などだ。しかし、大量の米国債が売却された途端、あっという間に債券市場は大混乱し、米国経済を直撃。やがて中国にもブーメランのように跳ね返る。南シナ海は年間500兆円の荷が行き交う海上貿易の大動脈だから、ドンパチになれば、やはり米中経済が打撃を受ける。どう考えても、米中関係の悪化は両国にとって「百害あって一利ナシ」だ。
トランプはツイッターで頻繁に中国批判を繰り返しているが、どこまでホンネなのか疑問だ。新たな駐中国大使に、習近平国家主席を「旧友」と呼ぶブランスタッド・アイオワ州知事を起用している。トランプと電話会談した習近平も「協力こそが両国にとって唯一の正しい選択」と強調している。