一方で、カプセルホテルの象徴的存在だった老舗の「グリーンプラザ新宿」が昨年12月25日に惜しまれつつ閉館。進化系と旧態型の明暗を示すかのように、カプセルホテルのトピックが続いた激動の2016年カプセルホテルシーンであったが、2017年は新たな展開が見込まれている。
年末に飛び込んだ大きなニュースが、JR西日本の施設内に「ファーストキャビン」を設けるというもの。
ファーストキャビンは国内で8店舗展開、女性専用エリアも設ける“飛行機のファーストクラス”をイメージしたキャビンタイプの進化系カプセルホテルだ。今年1月に共同出資会社「JR西日本ファーストキャビン」を設立。出資比率はJR西日本が51%、ファーストキャビンが49%で、新会社の社長はファーストキャビンの来海忠男社長が務める。西日本を中心に出店を加速する方針だという。
さらにファーストキャビンは、2月に「ファーストキャビン日本橋よこやま町」を出店。3月には羽田空港第1ターミナルに続く空港店「ファーストキャビン関西空港」「ファーストキャビン長崎」と続けての出店を予定している。一般のホテル料金が高騰する中、訪日外国人をはじめ出張客などの需要が増えており、割安なカプセルホテルの宿泊需要はますます高まると見込んでいる。
深夜便、早朝便への搭乗でも利用価値の高い「ファーストキャビン羽田ターミナル1」は、 空港とカプセルホテルの親和性を実証したが、空港へのカプセルホテル進出へはセントレアへも。
2017年春、Tube株式会社が中部国際空港旅客ターミナルビル1階に「TUBE Sq(チュウブ・スクウェア)」が開業する。空間と眠りのクオリティに気遣ったカプセルホテルを目指すという。LCCの就航も増加しているセントレアだけに需要が期待できそうだ。
近年進化系の出店が増えている大阪でも新しい動きが。1月に開業予定の「カプセルホテルアスティル道頓堀」ではセキュリティゲートも完備した女性専用エリアを設ける。ビジネスから観光ユースまで幅広いニーズに対応、ウッディなデザインを基調としつつスタイリッシュなインテリアで男女幅広い世代に“カプセルホテルでリラックス”を訴求する。
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