蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【首都スポ】全国高校サッカー 10人の正智深谷が奇跡の大逆転2017年1月3日 紙面から
◇第3日 正智深谷2−1関東第一サッカーの第95回全国高校選手権は2日、浦和駒場スタジアム(さいたま市)など8会場で2回戦を行い、16強が出そろった。正智深谷(埼玉)は前半に退場者を出し、先制も許す苦しい展開ながら、後半終了間際に試合を振り出しに戻すと、同ロスタイムに勝ち越す劇的な逆転勝利で、関東第一(東京B)との関東対決を制した。昨年度大会で8強入りしたときのメンバーがほとんど残る駒大高(東京A)は後半17分のMF米田泰盛(3年)のゴールで高松商に快勝、3日の3回戦では山梨学院と対戦する。 10人の正智深谷が奇跡の大逆転−。主将のMF小山開喜(はるき、3年)を中心に拳を高々と挙げ、芝の上で突っ伏した。終了間際の4分間で0−1からひっくり返した。しかも1人少ない状況で。小島時和監督(52)は開口一番「よく勝ったねぇ〜」と言い、「10人で11人以上の力を出してくれた」と褒めた。 悪夢から始まった。前半10分に小山がハンドを犯してPKを献上し、先制点を奪われた。16分後の前半26分には2年の谷口が一発退場。窮地の場面で、3年生が「先輩の意地を見せてやろう」と声をそろえた。ハーフタイム。ストレッチルームで独りで泣きじゃくる谷口の姿があった。主将の小山はこう声を掛けたという。 「逆転するから待ってろ」 ゴールは遠かったが、後半39分に執念が実った。右CKのこぼれ球をDF金子が右足で突き刺した。利き足は左。しかも、不得意な右足は負傷していたが「10人で厳しかったけど、1人も諦めていなかった。気持ちが強かった」。同点に追いつくと、一気に潮目が変わった。そして、後半ロスタイムにPKを獲得した。 キッカーを務めたのは、自らのハンドで先制点を献上した主将の小山。汚名返上の場面でも「緊張しない」と冷静だった。1回戦・立正大淞南戦でのPKは左に沈めており、「監督とも話して逆の『右』と決めていた」。狙い通り突き刺し、大逆転劇を完結させた。試合後、主将は退場した谷口を抱き締め、「チームのスローガンの『一致団結』を感じた」。苦境を乗り越える“逆転の正智深谷”の快進撃が止まらない。 (占部哲也) ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。 PR情報
|