「何がいかんのだ?」 数学の権威が『3.9+5.1=9.0減点問題』に異議
2016年11月、Twitterユーザーのkennel(@kennel_org)さんが投稿した、小学校3年生の算数のテストに関するツイートが大きな注目を集めました。
姪っ子の小3算数テストの採点結果。.0の有効数字に意味があるというのに全く訳がわからない。 pic.twitter.com/dOUIOYzUg5
— kennel (@kennel_org) 2016年11月16日
簡単に説明すると、「3.9+5.1」という問題に対し、「9.0」とした投稿者さんの姪(小学校3年生)の解答が減点されたというもの。
教師は「9.0」ではなく、「9」と答えるべきだったと指導したと言うのです。
この採点については、Twitterでも「教師がおかしい!」「有効数字を理解していない教師」など、さまざまな意見が寄せられました。
さらには脳科学者の茂木健一郎さんも自身のFacebookで、この問題に関して、次のように言及。
茂木健一郎 ーより引用昨日、小学校の算数のテストで、「3.9+5.1=9.0」と書いたら、減点されたというツイートが流れてきて、とてもびっくりした。これははっきり言って一種の子どもに対する「虐待」である。
教師の採点について、辛辣な意見を述べています。
もちろん、「テストは学校で学んだことを確認するためのものなので、採点は間違っていない」といった教師を擁護するコメントもありましたが、全体的に見ると少数にとどまっています。
そんな中、この『3.9+5.1=9.0減点問題』に数学の世界的権威が言及します!
「数学のノーベル賞」を受賞した数学の権威が採点を一喝!
日本ではたった3人しか受賞していないフィールズ賞
『3.9+5.1=9.0減点問題』に言及したのは、1990年にフィールズ賞に輝いた森重文先生。
フィールズ賞
4年に1度開催される国際数学者会議で授与される賞。「数学のノーベル賞」とも呼ばれるが、「4年に1度」「40歳以下」などがノーベル賞とは異なり、日本では過去に3人しか受賞者がいない。
この数学界の権威が、2016年12月25日に放送された『林先生が驚く初耳学!』に登場し、減点について林先生と対談。次のように述べたのです。
林先生が驚く初耳学! ーより引用「僕の感覚で言ったら、それ(減点)はない」
「何がいかんのだ?」
一刀両断!!!
ちなみに、森先生は「冒頭にできるだけ簡潔な表現をしろ」といった注意書きがあれば、この限りではないとも言います。
しかし、少なくともこの出題の仕方であれば「3.9+5.1=9.0を減点するのは間違っている」と明言したのです。
この発言にTwitterにも「よくぞ言ってくれた!」と多くのコメントが寄せられています。
フィールズ賞の森先生が断言したんだから、この論争は終わり!批判を恐れずにビシッと言い切ってくれた森先生、ステキやねこれで、理不尽な採点で算数嫌いになってしまう子が減ることを祈る決して「採点をした教師個人」を責めるのではなく、学校教育に一石を投じるという意味合いでの発言なのでしょう。
森先生は、教える側の姿勢について、次のような見解を示しました。
林先生が驚く初耳学! ーより引用「教える側に自信がないと形式を整えたくなるのかも」
ほかにも「体積を求める際、縦・横・高さをどの順番で掛けたか」で、減点の対象となった事例など、算数の採点に関して、さまざまな意見を述べた森先生。
「公式を覚える」などの形式を優先してしまい、数学の本質部分が疎かになっているとしたら、それはとても残念なこと。
森先生の発言が、算数の教え方などを見直す、1つのキッカケになることが期待されています。
[文/grape編集部]