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【スポーツ】

[箱根駅伝]青学大が3冠&3連覇へ往路V

2017年1月3日 紙面から

往路1位でゴールする青学大の貞永隆佑(七森祐也撮影) 

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 ▽2日▽東京・大手町〜箱根・芦ノ湖の5区間107・5キロ▽出場21チーム▽スタート時の気象 曇り 気温6・9度 湿度63% 無風

 大会3連覇と出雲、全日本に続く史上4校目の大学駅伝3冠を目指す青学大が5時間33分45秒で3年連続3度目の往路優勝を達成した。青学大は1区の梶谷瑠哉(2年・白鴎大足利)がトップと4秒差の4位でスタートすると3区の秋山雄飛(4年・須磨学園)が2年連続となる区間賞で首位に立ち、5区の貞永隆佑(3年・世羅)がリードを守り切った。33秒差の2位には早大が入り、3位順大、4位東洋大、5位駒大と続いた。

   ◇

 神がいなくても青学大は強かった。3代目「山の神」こと神野大地(現コニカミノルタ)が卒業した後の山上り5区を担った貞永が両手の拳を握り締め、往路優勝のフィニッシュラインを駆け抜ける。「最後はすごくきつかったが、気持ちで走った。皆がよろこんでくれて素直にうれしい」。区間8位、神のようにスイスイとは行かなかったが、3連覇、3冠への最短距離となる往路優勝を確保。原晋監督(49)も「(2位に)33秒差の勝ちはうれしい誤算。往路は100点満点」と破顔一笑だった。

 神がいない中、往路優勝の立役者となったのが3区の秋山だった。「38秒差で不安だったが、これを抜ければヒーローになれると思った」と奮起。13・1キロで首位の神奈川大を抜き去るとその後も快調に湘南海岸沿いを駆け抜け2年連続の区間賞。テレビ中継のゲスト解説を務めていた神野も「湘南の神」とたたえる殊勲の走りだった。

 快走の裏には苦悩もあった。「メンタルが弱く、チームにも暗い雰囲気を出していた」と振り返るように、今季は箱根駅伝直前まで精神面から来る不調にあえいでいた。

 6月の日本学生個人選手権では5000メートルで16分28秒もかかり最下位。直後の学年ミーティングでは「このままじゃ後輩は誰もついてこないぞ」と厳しく指摘された。出雲、全日本もメンバー入りを逃し12月の直前合宿でも5キロのタイムトライアルで21分もかかり、原監督も「500%無理だと思った」と振り返るほどだった。

 それでも「3冠、3連覇に加わりたかったし、最後を気持ち良く終わりたかった」とあきらめることはなかった。トレーナーからは「フィジカルは問題ない」と指摘され、前回の箱根駅伝の走りを追い求めて不調に陥っていたと分かると「今年は今年」と割り切り、不調を脱した。最後の大舞台でチームに貢献する大仕事をやってのけた。

 「サンキュー大作戦」を掲げた今回の青学大。秋山は「皆が励ましてくれたおかげでここにいる。サンキュー大作戦は大成功だと思う」と感慨深げ。残る復路へ原監督は「サンキュー指数が39%だったのが93%になった。復路は139%を目指して頑張りたい」と意気込む。感謝の気持ちを胸に残り5区間3冠、3連覇へ駆け抜ける。 (川村庸介)

 

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