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インフルエンサーマーケティングについて知っておきたい5つのこと

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2016年、デジタルマーケティングにおいてインフルエンサーマーケティングが非常に盛りを見せた年であった。ソーシャルメディアを中心としたマーケターなら絶対に押さえておきたい、なぜ今インフルエンサーマーケティングが重要なのか、2017年に行うべきインフルエンサーマーケティングのポイントは何かという点を紹介したい。

インフルエンサーマーケティングとは

そもそもインフルエンサーマーケティングがどのような活動かというと、"Facebook、Instagram、Twitter、YouTube, SnapChatなどソーシャルメディアを通して、フォロワーユーザーの多いインフルエンサー達とコラボレーションを起こし、彼らに自社製品を紹介してもらうというもの"である。

インフルエンサーマーケティングはソーシャル戦国時代の効果的な手法

2015年頃からBuzz Wordとなっていたインフルエンサーマーケティングは、時代の流れにあった手法とその効果から今もなお注目を集めている。

関連記事:インフルエンサーマーケティングが企業プロモに効果的な5つの理由

インフルエンサーマーケティングはインフルエンサーのフォロワー数/層や彼らとの関係(エンゲージメント)などを事前に分析し、一番あったものを選択してから行うことができるのでより多くの、特定のターゲットに向けて効率的かつ効果的にブランド・商品・サービスの訴求活動ができる。

インフルエンサーマーケティングの平均ROIは約685%

企業が直接プロモーションするよりも自然な形で、なおかつ消費者に寄り添ったメッセージ発信ができるので、消費者は広告のような商売っ気無しに、魅力を感じる。故に高いROIの達成に期待ができるのである。ある研究ではインフルエンサーマーケティングの平均ROIが約685%という結果も出ている。

Google Trendsによる"インフルエンサーマーケティング"の検索動向

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2015年以降検索動向は急上昇中

インフルエンサーマーケティング成功事例

また、以下の成功事例からも企業のマーケティング活動においてインフルエンサーマーケティングがいかに重要かがわかる。

成功事例 1: エミレーツ航空×人気YouTuber

以前freshtraxでも取り上げたコラボレーションである。エミレーツ航空は大胆にも$16,000かけてビジネスクラスの航空券を購入した一般客である人気YouTuberをファーストクラスへアップグレードし、1週間で1,800万回以上の再生数、30,000以上のコメント数を獲得したのである。YouTubeの1再生あたりのコストは驚きの約$0.0009(≒0.09円)以下であった。

関連記事:インフルエンサーマーケティング成功事例: 【著名YouTuberをファーストクラス乗せた結果】エミレーツ航空

成功事例 2: ラスベガス観光局×SnapChatの王様

ラスベガス観光局は2016年、"The King of Snapchat (SnapChatの王様)"と呼ばれるDJ Khaledを起用し、彼の600万を超えるフォロワーに向けてラスベガスでの夜遊びやリラクゼーションなど旅行の様子を配信した。2日間に渡たったこのキャンペーンは400,000の閲覧数と25,000の新規のフォロワー獲得に成功した。

Khaledの主なフォロワー(21歳から30歳)とラスベガス観光局がリーチしたい層は一致しており、物怖じしない正直なコメントに定評があるKhaledのコンテンツは、誠実さや信頼性に敏感と言われるミレニアル世代から獲得数以上のポジティブな反響があったことが予測できる。

成功事例 3: ファッションブランド Pretty Little Thing×人気セレブ

60%のファッション・美容系ブランドはインフルエンサーマーケティングの実施・計画をしているが、アパレルブランドのPretty Little Thingはインフルエンサーによって自分たちの服を人気にしてもらうのではなく、インフルエンサーやセレブがすでに着ている服をより低価格で製造し、販売することで成功している。

このブランドのインスタグラムにはすでに120万人のフォロワーがいて、世界中から日々20,000の注文を受けている。

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2017年のインフルエンサーマーケティング動向ポイント

そして2017年、すでに多くのマーケターがインフルエンサーマーケティングを行うと意気込んでいる。まだ検討中の方もこれからまさに行う方も、2017年のインフルエンサーマーケティングの実施には、以下のポイントを是非押さえておいていただきたい。

KEY 1: ソーシャルメディアのライブビデオが新鮮なトレンドの発信源

Snapchatのすぐに消えて短いけどその瞬間を捉えたビデオという要素が流行ったと思えば、インスタグラムがそれを真似するかのようにライブビデオ機能を追加し、さらなるユーザー獲得を企てている。「テレビで見たやつだ!」と言われていたトレンド情報は、インフルエンサーマーケティングによって「インスタグラムで見たやつだ!」というようになってきているのだ。

関連記事:広告を超えたバイラル動画を活用 − 海外ブランドキャンペーン事例

KEY 2: 消費者は"広告"が嫌い

時に消費者は何が嫌いなのかの方がはっきりしている時がある。GenerationZとmillennialsといった若者たちは情報の多くをインターネットで探し、上の世代よりもその情報をより信用する傾向にあるが、彼らのオンライン広告嫌いは以下の数字となってはっきりしてきている。

74%のデジタル・スマホネイティブと言われる若者層がソーシャルメディアの広告を嫌っている
彼らのうち57%がソーシャルメディアのフィードに出てくる宣伝が嫌でソーシャルメディアをみる時間を減らした
47%のオンラインユーザーがオンライン広告を避けるための制御ソフト使っている

広告はスキップもしくはバックグラウンドで流すだけで無視されたり、もはや消費者の目に触れることなく終わってしまうのである。オンライン広告アレルギーが現れていることは無視できない。

KEY 3: "逆"インフルエンサーマーケティング

ここでいう"逆"インフルエンサーマーケティングとはインフルエンサーによってすでに人気になっている商品を作ることで確実に"人気の商品"を販売するというものである。成功事例3で紹介したPretty Little Thingが代表的な例で、インフルエンサーマーケティングは普通、自社の製品を影響力のある人に使ってもらって商品が売れるようにしてもらうが、全く逆の方法をとることもで成功しているブランドが出てきている。

KEY 4: インフルエンサーも人間である

気になるインフルエンサーを見つけたら彼らをしっかり理解することが大事。なぜなら彼らは機械的な広告とは違ってお金よりもブランドとのフィットなどを重視することが多いからである。

ブランドがその人物とフィットしない限り、"広告感満載"になることは間違いない。インフルエンサーも自分のファンにそんなもの届けたくないし、ファンも広告は見たくないし、企業としても何も得しない。

また、YouTubeだけでなくソーシャルメディアの有名人は明けても暮れてもなんか着ているしなんか飲むしなんか見せている。これは彼らの生活のあらゆる瞬間に自社ブランドを忍び込ませるチャンスがあるということでもある。

KEY 5: インフルエンサーにコンテンツ作成を託す

適切なインフルエンサーを選択し、彼らににブランドや届けるべきメッセージをしっかりと伝えたなら、載せて欲しいリンクやハッシュタグは要求するにしても、彼らの作るコンテンツに自由を与えてみよう。やって欲しいことを押し付けるのではなく、あくまで彼らには自分たちメッセージを伝えるために一緒に働くというのが最適だ。

まとめ: インフルエンサーマーケティングはいかその時代の生活者に溶け込むかが重要

時代を辿ると、テレビやラジオが出たての頃は広告(売りたいもの)からコンテンツができるということがあった。石鹸メーカーが一番の消費者である主婦層がテレビを見る時間に、彼らが好きなコンテンツを流そうとスポンサーをしていたのが昼ドラである。

後にコンテンツに広告を流す・載せていくようになるが、テレビ番組は録画できるようになってCMが早送りされ、はたまた"広告をなくす"ことが商品になった広告フリーのプレミアム会員や広告バスターソフトなど、企業にとって時間・お金・労力をかけてきた広告はその抜け道ばかり追求されてきた。

しかしながらいま、ソーシャルメディアのスター出現により、広告(売りたいもの)からコンテンツが出来上がるという流れが再び巡ってきている。これはブランドが消費者の注目があるところコンテンツからその枠を奪っていくのではなく、注目のあるところの一部にオーガニックに統合していく、つまりコンテンツに広告を馴染ませていくということであると言える。

参考記事:

In 2017 Influencer Marketing Is About To Go Through The Roof
74 percent of digital natives tired of brands shouting at them
How to do influencer marketing right in 2017
5 Creative Influencer Campaigns to Inspire Content Marketers