指標トレードとはなんぞやというはなし

せっかく指標カレンダーについての記事を書いたので、
今回は指標トレードとはなんぞや、って話。

アナリストって一生懸命に経済指標の予想するじゃないですか。
Bloomberg見ると誰がどのくらい当たったかがランキング化されてたりして、個人名が載ってたりします。

経済系のセミナーなんかに行くと回帰分析させた資料や、ぱっと見で関連のありそうなデータがカラフルに踊ってて
「ほらチャンスだ!ワイの言うことはあってるで!ウチのオススメの商品買ってーな」
って感じなのです。

これは零細商品先物会社のセミナーでも100億スタートのPBの資料でも同じ。
確かに良い資料も多いんだけども、
じゃぁいつスタートして、マーケットにどのくらいつぎ込めて、いつ終わりにして、リターンがどのくらい?って考えると、大半があまり積極的に投資したい代物ではなかったりします。



自分の経済指標トレードの見方としては、実体経済や先行きを見通すものとして見るのではなく、
​アナリスト予想中央値と実際の数字の乖離が生まれやすい指標における“サプライズ”の値動きがどう起こるかを見ています。

為替は単なる交換レートであり投機的かつ相対的なものなので、論理的基準値や最適値が存在しません。
現代の通貨は不換紙幣だから数値化しにくい“信用”のみが担保だしね。

なのでランダムウォークする時間がとても長い市場だと認識しているのですが、
指標発表時はボラティリティが拡大する可能性が高くなりますし、値動きのランダム度が低下すると思っています。

以前の記事で言うところのファットテールにあたるタイミングの一つです。

この図で言うところのピンクの部分ね。

一生懸命勉強していい大学入っていい証券会社に入って分析しまくった、たくさんのアナリストなる方々が、様々なモデルを用いて弾き出した予想値をめっちゃ集計した中央値っていうものは、いわば現在価格に織り込まれている数字とほぼイコールになるのです。概念的な意味で。

開示された指標の数値が予想中央値から乖離していれば、それが“サプライズ”になります。
実体経済においてプラスになる方向に乖離があればサプライズの買いが瞬間的に起きやすいですし、逆もしかりです。

指標を基準を元に多くの人間が売買をするのであればランダムウォーク度は低下するし、
ボラティリティも拡大しやすいので、短時間で効率的に収益を上げることも可能です。

例えばそのサプライズがリスクオンだった場合、全体の強弱変化のバランスが中長期の強弱方向へ進む可能性が高くなりますし…
例えばサプライズがないことにより指標指標発表国通貨ではない通貨が最も動く場合もあります。
この動きは構造的に発生するものもあれば、期間限定で発生するものもあります。
非常に多くのパターンがありますが、論理的に説明可能な値動きが起こる可能性が高くなります。

もちろん、論理的に説明しにくいけれど、たぶんそう、って値動きもあります。

ぼくの場合、インパクトの大きさとそれまでの動きにもよりますが、
リスクオフだった場合は、リスクオンだった場合に比べて保有時間は短期的になります。
多くのひとって、エントリーは慎重だけど、みんな投げるときは一気に投げない?
なので、ランダム度が低下しがちだと思っています。​
これは計測しにくいんだけど、長年やってきた体感がそうだって言ってる。少なくとも値動きは荒くなりがち。
 

ただ実際にそれを収益化しようと思うと…

ちゃんと出金ができる業者かどうかはもちろんのこと、業者のサーバーの強さ/流動性/約定速度/指標時のスプレッド、全体の強弱バランスや、指標発表直前の値動き、サプライズが各通貨へどのくらいのインパクトを与えるかなど、結構な数の判断要素があり、しかも短時間で判断しなければならないため網羅的かつ職人的な知識集約が必要になります。

となると、どうしてもブローカーはきちんと選ばなければいけないし、モニターはたくさんあったほうがいい。
ブローカーはしっかり自分で調べて、モニターはぼくのアフィを踏んで買いましょう(ニッコリ

各指標の過去のデータや値動きを見たいのであれば、無料で公開しているサイトがいくつか存在します。
代表的なものは以下の2つ。

ForexFactory.com Calendar  ←過去の経済指標の数値を見られる
ForexPeaceArmy.com Calendar ←過去の経済指標発表時の値動きを秒単位で見られる


後者のサイトの秒単位の値動きチャートがこれ。

この2つのサイト、サプライズとインパクトの勉強にすっごく便利なのです。

まー全部Bloomberg端末あれば正確に見られるんだけどね…( ˘ω˘ )

一つ問題があるとすれば、Dukascopyのデータを引っ張ってきてる都合で、UK指標はだいたい問題ないのですが、通信レイテンシー都合により、オセアニアやUSやカナダ指標のチャートデータが1秒程度ですが遅れています。
米NFPはロックアップでデータが開示されるので、発表が0.1秒でも遅れることはありません。
ほら、この画像もよく見ると08:30の01秒にインパクトが発生してる。
DukasのECNサーバーはなぜかスイスに存在し(場所は非公開ってことになってるけどウラはとれてる)、何度も聞いたのですが場所を変える予定は全くないらしいです。

そのためDukasはA Bookですし基本的には優良ブローカーなのですが…
指標トレードにおいては全くオススメできません。
取りに行ったレートが「残像だ…」って感じで存在しなくって、そのためにクソレートを掴まされたり、指標時においてはめっちゃ約定時間が遅くなります。
 

これらのサイトも、先々の経済指標発表スケジュールを間違えてることがボチボチあるので注意です。

思ったよりだいぶ押したけど米国もテーパリング入ったし、昔ながらの金利差トレードもしやすくなるといいね。

ノシ