朝鮮学校の学費値上げ　神奈川知事「知らなかった」

　県内の朝鮮学校が平成２７年度の学費を前年度からほぼ倍に引き上げたことで、児童・生徒を対象に県が支給する学費補助金が約１４００万円増加した問題で、黒岩祐治知事は会見で「学費値上げは知らなかった」と述べた。

　黒岩知事は学費引き上げの理由について「学校への補助金支給取りやめと生徒数減により、運営が厳しくなったためと聞いている」としたうえで、「２６年度まで朝鮮学校の学費は県内私学平均より低かった。学費値上げで、学費補助金も自動的に増えたが、制度がおかしいとは思っていない」と語った。

　県私学振興課によると、朝鮮学校を含む私学への補助金は私立幼稚園と小中高校の各平均学費の年額３１万～４４万円を上限に支出。朝鮮学校は小学校の学費を２６年度の１８万円から２７年度は３９・６万円に引き上げ、ほぼ上限額に設定していた。

　県は朝鮮学校に対して、今年度改訂予定の歴史教科書に北朝鮮拉致問題の記述を盛り込むよう求めてきたが、「改訂は困難」としたため、今年４～８月分、約２１００万円の学費補助金支給を凍結している。