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【鉄道ファン必見・新春版】
「夢の超特急」世界で快走 ニッポン新幹線採用相次ぐ 中国「敵失」も有利に
新幹線に対する高い評価は、海外の高速鉄道計画で次々と採用が決まっていることからもうかがえる。2007年に台湾での初採用を皮切りに一昨年は米テキサス州(ダラス-ヒューストン)、インド(ムンバイ-アーメダバード)での導入が決まった。昨年8月には、石井啓一国土交通相とタイのアーコム運輸相が同国の首都バンコクと北部チェンマイを結ぶ路線で、新幹線導入へ協力する覚書を交わした。
時刻表通りに運行するなど高い正確性に加え、運行による乗客の死亡事故はゼロ。東日本大震災の際も脱線しなかった。折り紙付きの技術だけでなく、高品質ゆえに不利に働きがちだった初期費用の高さも、最近では運営や保守まで含めた中長期的コストを重視する流れで「必要な投資」との認識に転換しつつある。
接触や衝突事故に備え、頑強な車体基準が必要とされた米国でも、新幹線導入を見据え、新たな基準作りに向けた検討が進みつつある。加えて鉄道インフラ輸出で最大のライバルと目される中国受注の高速鉄道事業が、各地で計画の遅延やトラブルで暗礁に乗り上げるという“敵失”も続発し、新幹線に有利な流れが生まれている。