今年も大みそかに第67回NHK紅白歌合戦が行われる。66年続く生放送番組とあって、紅白の歴史は、ハプニングの歴史? でもある。かつて、放送中に起こった“放送トラブル”を振り返る。
■交通事故で急遽代役
52年の第2回、出場歌手の松島詩子がスタジオに向かう途中で事故にあったため、越路吹雪が急遽出演に。当時は事前に出場者が発表されない形式だったため、越路が代役であることは、最初、気付かれなかったが、その後番組中に松島の経過報告が届いたことで事故が明るみになった。
■森進一、「社会の窓」開いたまま熱唱
74年の第25回、初の大トリを務めた森進一だったが、熱唱中にズボンのファスナーが開いていた。これに気付いた森は、さりげなく閉めた。
- 第25回NHK紅白歌合戦で熱唱する森進一。後方右は三波春夫(写真は1974年12月31日)
■長渕、ずっと歌う
90年の第41回、長渕剛が中継先のベルリンからひとりで3曲歌唱。15分以上歌い続けたうえに、現地入りしたNHKスタッフを「タコばかり」と非難した。
■三波春夫(?)が「受信料払って」
82年の第33回、サザンオールスターズの桑田佳祐が紅白のベテランである三波春夫に扮して、曲中に「受信料は払いましょう!」「裏番組はビデオで!」と呼びかけた。
- 紅白歌合戦で「チャコの海岸物語」を熱唱するサザンオールスターズの桑田佳祐(写真は1982年12月31日)
■壇上でギター炎上
85年の第36回、トップバッターの吉川晃司がシャンパンをまき散らしたり、ギターにオイルをかけて燃やしたりとステージ上で大暴れ。床が濡れた影響で、その後、登場したシブがき隊布川敏和が2度転倒する事態となった。
- 第36回NHK紅白歌合戦で熱唱する吉川晃司(写真は1985年12月31日)
■「少年隊で『仮面ライダー』」
86年の第37回、白組司会の加山雄三が少年隊の曲のタイトル「仮面舞踏会」をうっかり「仮面ライダー」と紹介…。
- 第37回紅白歌合戦に臨む紅組キャプテンの斉藤由貴(左)と白組キャプテンの加山雄三(写真は1986年12月31日)
■モックンのコンドームネックレス
92年の第43回、本木雅弘が大量のコンドームをネックレスのように首からぶら下げて出演。なかには白い液体が詰まっている手の込みようだった。
■米米、ステージ落下
96年の第47回、米米CLUBのボーカルのカールスモーキー石井が「浪漫飛行」を披露した際にステージから客席に転落した。
- 第47回NHK紅白歌合戦で熱唱する米米CLUB。中央はボーカルのカールスモーキー石井(写真は1996年12月31日)
■“全裸”ダンサーに弁解
06年の第57回、DJ OZMAが女性バックダンサーの脱ぎパフォーマンスを敢行。実際は裸体に見えるボディスーツを着ていたのだが、抗議が殺到して、番組中に総合司会の三宅民夫アナが「裸ではない」と説明した。
- 第57回NHK紅白歌合戦 過激なパンツ姿で熱唱するDJ OZMA(写真は2006年12月31日)
■大島優子がAKB卒業をサプライズ発表
13年の第64回、AKB48大島優子が、グループからの卒業を電撃的に発表。メンバーと一緒に「恋するフォーチュンクッキー」を歌い終えて、自らがセンターを務める「ヘビーローテーション」を歌う直前、突然切り出して、サプライズで卒業宣言した。場内は騒然とした空気に包まれた。
- 第64回NHK紅白歌合戦 突然の卒業を発表するAKB48の大島優子。右はビックリした表情の川栄李奈(写真は2013年12月31日)
■金爆が芥川賞又吉と相撲
15年の第66回、ゴールデンボンバーは4年連続で「女々しくて」を歌った。曲途中で樽美酒研二が赤いまわし姿に変身。土俵が登場し、審査員席のピース又吉直樹が土俵に上げられ、着物を脱がされると緑のまわし姿だった。相撲の勝負で勝った樽美酒が担ぎ上げられ、撞木(しゅもく)代わりに除夜の鐘を突くパフォーマンス。最後は又吉が芥川賞受賞作「火花」と書いた紙を掲げて締めくくった。
- ゴールデンボンバーに連れ出され、まわし姿になる又吉直樹