ゲームで続編ばかり売れる現象から、思い出コンテンツは強いという仮説を立てている。
思い出コンテンツとは、文字通り思い出として心に刻まれてしまったコンテンツのことである。そしてその思い出がプラスのものであればあるほど良い。
なぜゲームで続編ばかり売れるのか?そこには、ゲームこそあらゆるエンターテイメントコンテンツの中で最も思い出となりやすいということがあるのだ。
映画、小説、漫画、エンターテイメントコンテンツは数多くあるが、ゲームはその中でもぶっちぎりで消費者がかける時間が長いという特徴がある。一つのゲームをクリアするのに2、3ヶ月かかるのはザラだ。3ヶ月もあれば、その間に日常では様々なことが起きる。そうした日常の記憶とともにゲームのプレイ記録も刻まれるのだから、思い出として心に残りやすいのだ。
人はいい思い出があると、それを追体験したがるところがある。写真を見返すことで思い出を追体験するのもそれだ。そしてゲームの続編も、思い出を追体験させるものとして機能するのだ。
みんなあの楽しかったゲームをまた体験したいから、面白かったゲームの続編に期待する。だから買う。そしてやっぱり面白かったのなら、その次の続編も買う。そうしているうちに、そのゲームのシリーズ全体に思い出が出来てくる。そうなったらますますそのシリーズを買うことになるのだ。