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摘発逃れ日本に着目? 中国狙い詐欺 「法の抜け穴」を狙う [福岡県]

 うその電話やメールで現金をだまし取る詐欺は中国で「電信詐欺」と呼ばれ、近年、中国国内でも大きな社会問題となっている。海外の拠点から国際電話を使い中国本土を狙うケースが多く、昨年も東南アジアやアフリカを拠点にした中国人と台湾人の詐欺グループが相次いで摘発された。

 昨年12月にはスペイン警察が振り込め詐欺グループを摘発し、中国人200人以上を逮捕。ケニアやマレーシアでも昨年、中国人と台湾人のグループが摘発されている。

 スペインの場合、中国の捜査当局が情報提供した。ただ、日本と中国には容疑者の引き渡し条約がない。日本の刑法は詐欺容疑で立件する場合、被害者の特定が必要となるため、中国の協力なしに摘発は困難。今回のケースは、こうした法の抜け穴に着目し日本を拠点とした疑いがある。

 一橋大大学院法学研究科の王雲海教授(刑事法学)によると、中国で振り込め詐欺を含む特殊詐欺被害は、スマートフォンやインターネットの普及で2009年ごろから爆発的に増加。15年の年間被害額は約100億人民元(約1600億円)に上り、日本の15年の特殊詐欺被害(約480億円)の3倍超だ。

 拓殖大海外事情研究所の富坂聰教授(現代中国)は「台湾人の振り込め詐欺グループの拠点が日本で確認されたのであれば、非常に珍しい」とした上で、「日本国内の現金自動預払機(ATM)は海外のクレジットカードが利用しやすく、詐欺で得た利益を出し入れしやすい環境にある。今後、日本に拠点を置く海外の詐欺グループが増える可能性もある」と指摘する。

=2017/01/01付 西日本新聞朝刊=

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