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【ゴルフ】

勇太、4打差8位もイライラ Vで賞金王の意気込み空回り

2016年12月3日 紙面から

12番でティーショットを放つ池田勇太=東京都稲城市の東京よみうりCCで(神代雅夫撮影)

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◇日本シリーズJT杯<第2日>

 ▽2日、東京都稲城市、東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)▽快晴、14・2度、北東1・6メートル▽賞金総額1億3000万円、優勝4000万円▽30選手▽観衆3744人

 7位で出た賞金ランキング1位の池田勇太(30)=日清食品=が1イーグル、4バーディー、3ボギーの67と伸ばし、通算5アンダーで首位と4打差の8位につけた。イライラを募らせながら、悲願の賞金王へ手堅く上位を追走した。首位で出た同2位の谷原秀人(38)=国際スポーツ振興協会=は68で回り、通算7アンダーで4位。65で回った朴相賢(パク・サンヒョン、韓国)が通算9アンダーで単独トップに立ち、小平智(27)=Admiral=と金亨成(キム・ヒョンソン、同)が1打差の2位で続いた。

 ゆっくりと歩き出し、右拳を握った。パターから押し出された球を見送りながら、池田は確信した。「入ったな」。4、5番で連続バーディーを奪い、迎えた6番パー5。残り240ヤードから4番アイアンで2オンに成功し、8メートルのイーグルパットを沈めた。拍手と歓声に背中を押され、一気にV戦線へ浮上した。

 だが、膨らんだはずの上昇の空気はすぐにしぼんだ。8番パー3。1打目がグリーン奥のラフへこぼれ、3メートルのパーパットはカップに蹴られた。「いい流れで行けるのかと思ったら、すぐにボギーを打って、流れを止める原因になっている」

 11番では1打目を左へ大きく曲げ、ボギー。手放した流れは戻ってこない。16、17番でバーディーを奪い、上位に食らい付いたが、決して納得ずくの結果ではなかった。

 池田は序盤から不満げな表情を浮かべ、イライラしていた。3番で3パットをたたくと、パターを投げ捨てた。9番では2打目がグリーンを外れ、クラブを放り投げた。

 「ナイスショットを打っても(距離感が)合わない。風なのか何なのか、いまいち分からない。対自然なので、相手が味方してくれるまで待つしかない」。もどかしさをプレーにぶつけられず、ラウンド後もぶぜんとしたままだった。

 賞金王に手を掛けた最終戦。賞金ランク2位の谷原とは約3077万円の差があり、谷原が優勝を逃した瞬間、悲願は成就する。だけど、池田自身の思いは勝って戴冠−。不満の要因は、その一点に詰まっている。

 「悪い内容のゴルフじゃない。今日は忘れて、また明日は一から。毎日、その積み重ね」。池田はプレーで沸かせ、内容で圧倒し、スコアで背負う大看板を証明する。 (松岡祐司)

 

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