ある日、僕が高校から帰ると家の前に段ボール箱が置いてあって
「これをあなたに差し上げます」
と書いた紙が貼ってあった。怪しい気がしたけど段ボール箱を家の中に運んで開けると
中には叩く部分の片方が赤、もう片方が青で柄の部分が黄色のピコピコハンマーが入っていた。
「なんだ、これ」
一緒に取扱い説明書と書いてある紙が入っていたので読んでみた。
・これは年齢を操作できる魔法のピコピコハンマーである。
・赤い部分で叩くと叩かれた人間は若返る。
・青い部分で叩くと叩かれた人間は成長する。
・柄の部分で叩くと叩かれた人間は元の姿に戻る。
・どのぐらい若返る(成長する)かは叩いた強さによって変わる。
・自分で自分を叩いても効果はない。
年齢を操作するピコピコハンマー?非現実的だ。試してみたいけど自分で自分を叩いても効果はないらしい。
そう思っているとピンポーンと家の呼び鈴が鳴った。
出てみると
「お兄ちゃん、遊ぼ!」
玄関先に美緒ちゃんが立っていた。隣の家に住んでいる小学3年の女の子だ。
小さい頃から家族ぐるみの付き合いをしていてお互いきょうだいがいないこともあって実の兄妹みたいに仲がいい。この子で試してみよう。
「入って」
「お邪魔しまーす。」
美緒ちゃんは自分のお気に入りの場所リビングのソファーに座った。
「ちょっとおもしろいことがあるんだけど試してみていいかな?」
「え、なになに!」
期待のまなざしを向ける美緒ちゃんの頭をピコピコハンマーの青い方で叩いた。
ピコン!
「痛っ!いきなり何するの~!」
美緒ちゃんの体が背が伸びてきた。平らだったおっぱいも膨らんでいき、存在を主張しはじめる。
丸っこくて幼い顔つきもほっそりとした大人の顔つきになっていった。
「あっ…んんっ…」
美緒ちゃんは色っぽい声をあげる。服は上下ともピチピチになってしまっている。
僕と同じ高校生ぐらいの美少女になったところで美緒ちゃんの変化が止まった。
「わ、私どうなっちゃったの!?」
美緒ちゃんはしばらくきょろきょろしていたが、母さんが使っている鏡に映った自分の姿を見て
「私、大人になっちゃった!」
驚愕の声を上げた。
「このピコピコハンマーの青い方で叩くと大人になっちゃうんだよ。」
「すごいね!でも服がきついよ~」
美緒ちゃんの着ていた服は今にも破れそうだった。
「母さんの服着る?」
「うん」
僕は美緒ちゃんの着替えの手伝いをした。白すぎず、黒すぎない健康的な素肌、たわわに実ったおっぱい、くっきりくびれた腰、しなやかな太ももなど
色々"見てしまった"が、精神年齢は子供のままのせいか、見られても恥ずかしくなさそうだった。
着替えが終わって母さんの鏡に自分を映して見回している。その姿がとてもかわいい。
母親の服だから地味目な服だけどとても似合っている。
「ふふ~女子高生になっちゃった!お兄ちゃんありがとうね」
僕はいいことを思いついた。
「ねぇ、美緒ちゃん。僕をピコピコハンマーの赤い方で叩いて」
「うん、いいよ」
「あんまり強く叩かないでね」
美緒ちゃんは僕の頭にピコピコハンマーを振り下ろした。
ピコン!
「か、体が熱い…」
僕の目線がだんだん下がっている。腕や脚は縮んで服の中に入ってしまう。
変化が止まったところで僕は鏡を見た。そこには成長させる前の美緒ちゃんと同じくらいの小学生の男の子が映し出されていた。
美緒ちゃんは僕に近づいてきた
「うわあ、お兄ちゃんが小さくなっちゃった!」
「うん、さっきのピコピコハンマーの赤い方で叩かれると若返っちゃうんだ。って、あ…」
僕は自分の声が声変わりする前の高い声になっていることに驚いた。
「ふふっ!お兄ちゃん、声もかわいくなっちゃった!本当にかわいすぎだよ~」
そう言うと美緒ちゃんは僕に抱き着いた。
「く、苦しいよ~」
美緒ちゃんは前から抱き着いたりしてきたが、体が大人になって力の加減がわからないらしく苦しい。
「お姉ちゃん、止めて!」
僕は思わず美緒ちゃんを「お姉ちゃん」と呼んでしまった。美緒ちゃんはちょっと驚いた様子で
「あ、ごめんなさい…今の私はお姉ちゃんなんだね!じゃあお兄ちゃんのことは智也くんって呼ぶね!」
「うん、いいよ」
僕たちの関係は逆転してしまった。
「智也君に何かお姉ちゃんっぽいことがしてあげたいなー」
美緒ちゃんは考え込んでいる。
「そうだ、マッサージしてあげる。いつもお父さんやお母さんにやってあげてるから上手なんだよ~。うつ伏せになって」
「うん、お願い。」
僕は床にうつ伏せになった。
「よいしょ、よいしょ」
美緒ちゃんは僕の肩や腰を揉んでくれた。腕力が上がったおかげか、ちょうど気持ちいい感じだ。
「気持ちいい?」
「うん、とっても」
「ふふふ~じゃあ次はくすっぐっちゃうよ!こちょこちょ~」
美緒ちゃんは僕の脇腹をくすぐりだした。
「や、やめてよ、お姉ちゃん。くすぐったいよ~。ふふふあははははは!」
「本当に智也君ってかわいいな~」
マッサージで気持ちよくなったからか、くすぐられて笑い疲れたからか、僕は急に睡魔に襲われた。
「ふああ~」
それを見たお姉ちゃんが
「智也くん眠いの?私が膝枕してあげる。こっちへ来て」
と言ってくれた。
「うん」
お姉ちゃんの膝の上に頭を乗せた。
膝の上からお姉ちゃんを見上げると大きく膨らんだ胸とお姉ちゃんの優しい笑顔が見えた。
「おやすみ、お姉ちゃん」
「おやすみなさい、智也くん」
僕は眠ってしまった。
…
しばらくして僕は起きた。膝枕をしているお姉ちゃんもソファーで眠ってしまっている。
時計を見ると夕方5時半になっている。
「お姉ちゃん起きて!お母さん帰ってきちゃう!」
僕は美緒ちゃんを揺すって起こした。
「う、うーん。ずいぶん寝ちゃったわ。私もそろそろ帰らなきゃ!」
「じゃあ元に戻すね」
「どうやって?」
僕はピコピコハンマーの柄の部分で美緒ちゃんを叩いた。
コツン!
「あ、あれ…体がポカポカするよ……」
さっき成長したのとは逆回しみたいに美緒ちゃんの体が縮んでいく。
大きく膨らんだ胸は風船の空気が抜けるように小さくなって、母さんの服がダボダボになってしまった。
背が縮んで少しほっそりとした顔は丸っこく幼い顔つきに戻ってしまった。
「元に戻っちゃった。今の私、智也くんと同じぐらいだね」
小さくなった美緒ちゃんはなんだかうれしそうだ。
「僕も元に戻して。ハンマーの持つところで叩くと元に戻るから」
「小さい智也くんももっと見ていたいけど、わかった!」
美緒ちゃんは余った袖から手を出してピコピコハンマーの柄の部分で僕の頭を叩いた。
コツン!
「また、体が熱く…」
僕もさっきとは逆に目線が上がっていく。腕や脚がダボダボになった袖から顔を出した。
僕も元の姿に戻れたようだ。
「お兄ちゃんは元の姿もかっこよくていいな」
美緒ちゃんは僕を見上げて言った。
僕はまた美緒ちゃんの着替えを手伝ってあげた。
「このピコピコハンマーのことは他の人には内緒だよ」
「うん、わかった。またこれで遊ぼうね、お兄ちゃん」
そう言うと美緒ちゃんは自分の家に帰った。
魔法のピコピコハンマーは本物だった。今度は誰で試そうかな…