チャーター機運航は通常1カ月単位で申請するもので、運航の前月20日ごろに各航空会社が中国民航局に申請して許可を得る。中国民航局が不許可の方針を知らせてきたのは今月28日夜のことだった。翌29日に航空各社がそれぞれ国土交通部に報告したことで多数の不許可が明らかになった。航空会社別ではチェジュ航空が江蘇-仁川2便、山東-仁川1便、内モンゴル-仁川2便、広東-仁川など計6便が不許可になった。アシアナ航空は寧波-仁川1編、ジンエアーは広西チワン族自治区桂林-済州の1便が運航できなくなった。しかも、中国の航空会社も韓国政府に提出していたチャーター機運航申請を30日、突然撤回した。韓国の航空会社のある関係者は「これまでにもチャーター機運航が不許可になったことはあったが、書類不備や安全性の問題など、理由がはっきりしていた。今回のように明確な理由もなく多数不許可になったのは初めてだ」と語った。
この期間は、中国外務省でTHAAD問題を担当する陳海アジア局副局長が、韓国政府が思いとどまるよう伝えたのにもかかわらず一方的に訪韓し、韓国国内の政財界関係者に接触した時期と重なる。26日から30日までだった陳海副局長の訪韓は、THAAD反対世論を高めるのが目的だったと見られている。中国政府がチャーター機運航を不許可にすることで、陳海副局長の訪韓効果を最大限引き出し、「THAAD配備が続く限り報復する」と警告しているのだ。北京の観光業界関係者は「中国の航空会社が韓国政府から既に許可を得ているチャーター機の運航まで撤回したのは、中国政府の指示以外に説明できない」と語った。