春節(旧正月、2017年は1月28日)連休を控える来年1月に中国人観光客を輸送するため韓国の航空会社が申請していたチャーター機の運航を、中国政府がはっきりとした理由もなく多数不許可にしていたことが30日、分かった。同じ目的で韓国国土交通部(省に相当)にチャーター機運航申請を出していた中国の航空会社も同日、突然申請撤回の意向を表明してきた。戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を急ぐ韓国政府に対し、韓国を訪れる観光客を減らすことでTHAAD配備に揺さぶりをかけるためと見られる。
韓国国土交通部や航空業界関係者によると、アシアナ航空・チェジュ航空・ジンエアーなど韓国の航空各社が来月の運航のため申請していたチャーター機8便に対し、中国の交通運輸省民営航空局(以下、民航局)は28日、すべて不許可の方針を通知してきたという。航空会社別ではチェジュ航空が江蘇-仁川など6便、アシアナ航空は浙江省寧波-仁川の1便、ジンエアーは広西チワン族自治区桂林-済州の1便だ。不許可の理由について民航局は「理由は特にない」と述べたとのことだ。
一方、来年1月に中国人観光客輸送のため韓国国土交通部にチャーター機運航を申請していた中国南方航空と東方航空も同日、突然「中国国内の事情」を理由に運航を撤回するとの意向を知らせてきた。
この背景には民航局など中国政府の指示があるものと見られる。チャーター機が多数不許可になったことで、中国の「春節特需」に期待していた韓国の航空・旅行業界は少なからぬ打撃を受けることになりそうだ。