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【国際情勢分析】
ロシアのサイバー攻撃で「選挙介入」の米大統領選 21世紀の謀略戦解明求める声強く
ロシアが米大統領選に干渉し、ドナルド・トランプ次期大統領(70)を勝利させるためサイバー攻撃を行ったとされる問題は、米上院の有力者が徹底的な調査を求めており、尾を引きそうな展開だ。民主主義の根幹である選挙への介入疑惑だけに、米メディアもいっせいに事実解明を訴える厳しい論陣を張っている。
「すべてのアメリカ人が米国の民主プロセスへの外国の介入を懸念している」(ワシントン・ポスト電子版=昨年12月19日社説)
「ロシアのハッキングを即座に調査せよ。将来、同様の干渉から政治プロセスを守るため、米国の有権者は可能な限り詳細な情報を知る資格がある」(ニューヨーク・タイムズ電子版=同22日社説)
昨年12月中旬、トランプ氏勝利を狙い、ロシアがサイバー攻撃を仕掛けたと結論づけた米中央情報局(CIA)の分析を、米連邦捜査局(FBI)も支持したことが明らかになると、米主要メディアは軒並み議会による徹底した調査を求める社説や論説を掲載した。
■ロシアによる米大統領選の干渉疑惑■ 民主党のヒラリー・クリントン前国務長官(69)の陣営のコンピューターがサイバー攻撃されていたことが昨年7月に発覚。大量のメールが内部告発サイト「ウィキリークス」に暴露され、民主党全国委員長が辞任に追い込まれた。