[1.1 天皇杯決勝 鹿島2-1(延長)川崎F 吹田S]
タイトルへの思いが激しくぶつかり合った。試合開始直後から鹿島アントラーズのMF小笠原満男は相手への激しいチャージを見せていた。すると前半19分にはついにピッチ中央で小競り合いに発展した。
その場は収まったが、再開直後には空中戦の競り合いの中でDF西大伍の足がMF登里享平の頭部をかすめると、これに怒った川崎フロンターレの選手たちが猛抗議。乱闘寸前となった。
ただ小笠原は冷静だったと話す。「それもパフォーマンスのひとつ。怒っていたわけではない。そういう細かいところにこだわって、闘うんだという気持ちを見せないといけない」。
マリーシア。ポルトガル語で「ずる賢さ」を意味するこの言葉は、王国ブラジルのサッカーを象徴する言葉として使われる。鹿島はブラジルの英雄ジーコの考えを受け継ぐ。ジーコは鹿島に勝者のメンタリティを植え付けたと言われるが、こういった細かいところの徹底こそがジーコの教えなのだ。
相手MF中村憲剛も鹿島との差は「ちょっとでも体を寄せてやらせなかったりとか。ウチがそうしなかったわけではないが、(鹿島は)体を張れていた。その差が天と地の全然違う結果を生む」と話している。
実際、小笠原は乱闘騒ぎの中でクイックFKを蹴ろうとするなど、常に勝つためのプレーに徹している。「自分たちのサッカーが出来た」。川崎Fに初タイトルを許さず、19冠目を獲得した鹿島の強さの一端はこういうところにある。
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