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 戦時下の呉・広島が舞台のアニメ映画「この世界の片隅に」が公開から1カ月を迎えた。異例のヒットを記録する中、太平洋戦争の幕開けとなった真珠湾攻撃から75年の節目を迎えた8日、片渕須直監督が呉市の呉ポポロと広島市中区の八丁座で舞台あいさつした。片渕監督は何度も呉や広島に足を運んで取材を重ねてきただけに、客席からは拍手と「お帰りなさーい」のかけ声が上がった。

 八丁座でのあいさつで監督は真珠湾攻撃75年に触れ、「戦争が始まったのではなく拡大した日。原作にはないが、広島護国神社の近くでこの日、主人公のすずさんが貝などを売っている場面を加えた」と制作秘話を明かした。食事を作るシーンが多いことに「8月15日で戦争は終わったが、その日の晩ご飯も次の日もご飯を作らないといけない。日々の積み重ねが現在につながっている」と話した。

 全国的に話題となっていることに関しては「画面で描いている以上のことを感じて自分に引き寄せて見てくれる人が多いようです」と分析。戦争体験者が孫を誘うなど世代を超えた広がりを見せているという。

 この日が5回目の鑑賞という広…

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