シリアの停戦はその後も、若干の違反や、違反の非難等はあっても、基本的には守られている模様です。
反政府軍は、政府軍とヒズボッラー等がダマス近郊、、イドリブ、アレッポ等で停戦違反をしていると厳しく警告した由。
またダラアでは政府軍と反政府軍が相互に停戦違反を非難をしている由
なお、確かBBC放送は、0800のニュースで、ダマス近郊のバルダ渓谷で、政府軍等が停戦違反を繰り返しているとして、トルコ経由でロシアに苦情を申し立てたら、ロシアの圧力で政府軍等は停戦したと報じていました。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/12/31/النظام-يخرق-الهدنة-والمعارضة-تحذر-من-انهيارها
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/12/31/النظام-يخرق-الهدنة-والمعارضة-تحذر-من-انهيارها
他方、安保理は31日トルコとロシアの停戦に関する決議案を全会一致で採択しました。
但し、決議はシリアでの流血をやめるためのロシアトルコの努力を歓迎し、支持するとしているが、その後の政治的解決問題については、これらの国(イランも含むか?)の12月29日付の合意をtake note するとしてはいるが、これを支持するとまではしていない由。
さらに、米英仏の国連代表は、停戦対象となる反政府軍のリストがないことやその他のロシア、トルコ合意の詳しい内容が不明であることにつき、遺憾の意を表し、ロシアは決議案の大幅修正に応じた由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2016/12/31/مجلس-الامن-يدعم-جهود-موسكو-وانقرة-في-سوريا.html


以上の通り、何はともあれ、停戦が実現し、安保理決議も採択されたことで、当面はシリア情勢は平静に向かうように見えるが、今後の問題は、どことなくロシア―トルコの合意から距離を置いているイランの動きと、その手先というか同盟者というか、その意向に従う、ヒズボッラーとか革命防衛隊とかアサド政権やシーア派民兵の動きと、それでなくとも分裂している反政府軍の動きかと思われます。
ユーフラティスの盾作戦は、ロシアが攻撃に参加することでそのお墨付きを得た格好で、遠からずal bab は奪還されると思われ、その後トルコ軍等はmanbij の攻略に向かうこととなるが、manbij のクルド勢力も、このようなロシア―トルコ同盟を前にしては、本気で抵抗はしないのではないかと思われる。
そうなると、その後はトルコやロシアも加わったラッカ攻略作戦かと思われるが、そこに行くまでには停戦の破綻、戦闘再開の効能性も強く、未だまだ紆余曲折があるのではないでしょうか?
取りあえず