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マスター:STANZA
シナリオ形態:イベント
難易度:やや易
参加人数:25人
サポート:0人
リプレイ完成日時:2016/12/26


みんなの思い出

1
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オープニング



 久遠ヶ原の人工島、その一角に大きなモミの木がある。
 幹は一人では到底抱えきれないほど太く、高さは20mほどあるだろうか。
 それが生徒達の手によってクリスマスツリーとして飾られるようになってから、今年で四年。
 もちろん今年も、それは綺麗に飾り付けされることになっていた。

「今年もよろしくな」
 門木章治(jz0029)は、そのゴツゴツとした幹に手を触れる。
 去年は事情があって不在だったが、今年は何事もなく――いや、ないことはないし、天魔との戦いも大詰めを迎えているのだが。
 門木の周辺に限って言えば、今のところは目立った動きも危険な兆候も見られなかった。

 このまま静かに時が過ぎるのか、それとも嵐の前の静けさか。
 恐らくは後者なのだろうが、ならば尚更、出来る時に楽しまなくては。

「さて、今年はどうするかな……」
 二年目からは、ひとつのテーマを決めて楽しんでいた。
 一昨年は皆で編んだものを繋げたマフラー、去年は雪だるま。
 今年は何が良いだろうか。

「当日はまた雪になりそうだし、この季節は花も少ないし……ここは敢えて花で飾ってみるか」
 生花でも造花でも、折り紙の花でも何でもいい。
 真冬には咲かないカラフルな花たちで首飾りならぬ幹飾りを作ってみるのはどうだろう。
 花のない季節、モミの木に花を咲かせるのも悪くない。


 といわけで。
 今年も皆でツリーを飾りませんか?



プレイング

ラッキースケベの現人神・桜井・L・瑞穂(ja0027)
大学部4年4組 女 
【行動】
【不朽花】
ファリオ(jc0001)を伴い、予算内で調達した多種多様な布の切れっ端等を用い
枯れない、朽ちない仮初の花、造花の飾りを制作
視覚芸術や舞台芸術の知識を総動員して準備
……が、其処に何故か自分の下着(色々と際どく過激なものばかり)が混ざっていて驚愕
間違いなくファリオの仕業だと断定し、目尻吊り上げ羽交い締めにして頭をグリグリ
「こんな物が勝手に混ざる訳がないでしょう!?」
「油断も隙もありませんわね、まったくもう!」

※アドリブ歓迎

ちのうしすうがたかい・雪室 チルル(ja0220)
高等部3年1組 女 

心情:
「やっぱりてっぺんには大きい飾りよね!」

目的:
ツリーを飾る

行動:
やはりクリスマスツリーの頂点には飾りが必須である。
というわけで枝とかを傷つけないように気をつけて木に上り、
てっぺんに大きな星型のオーナメントの設置を行う。
もちろん電球がいっぱいくっついているコードも一緒に担いで持っていき、
頂上から下にかけてきれいに光るような感じになるように巻いていく。
その際も落下しないように気をつけながら木から降りていく。
最後にコンセントを刺してきれいに光るように確認を行う。
その際はくれぐれも火気厳禁で気をつけて作業を行う。

歴戦の戦姫・雫(ja1894)
中等部2年1組 女 
【心情】
「大きなモミの木ですね・・・樹齢はどれくらいなんでしょうね?」

【行動】
壁走りを使用してモミの木の上部の飾りつけを行う
途中でポインセチアを飾り付けたり、上部に飾り付けたい人から飾りを預かり配置して行く
モールやLED電灯を木の周りに巻きつけて飾り立てる
「当日に雪が降るなら綿を飾り付ける必要は無さそうですね」

※アドリブOK

205号室の合鍵っ子・クリス・クリス(ja2083)
小等部6年1組 女 
【花】
聖夜を彩る花は‥ポインセチア?
七夕の時のご縁の、商店街の花屋さんへGO!

へぇ‥ポインセチアは寒さに弱いんだ。
お外に飾るのは可哀想だね‥
じゃあ今回は違う方法考えるね
ありがとー

ミハイルぱぱに頼まれた電飾買わなきゃ‥
おもちゃ屋さんでいいよね?

こんにちはー
この電飾下さい(メモ渡す)
樅の木の飾りのイルミに、お店の名前を入れるから
そのぶんオマケがあると嬉しいなー


あ‥この赤ランプの電飾、ボク買いますー
ポインセチアの花びら模したビニルカバー作って被せるの

【願い事】
樅の木さんがずっと学園の生徒と友達でありますように♪

[動画]
ヤドリギの下のキスを真似て樅の木の下のキスだよ〜
ミハイルさんと沙羅さんの頬にキス☆

ラーメン王・佐藤 としお(ja2489)
大学部3年7組 男 

「こうやって実際に飾っていくと、一層気分も盛り上がって来るよね!」

皆と協力してツリーを飾る
最後は後片付けと周囲の掃除をして来た時よりも綺麗に。

楽しんだもん勝ち☆・ユリア・スズノミヤ(ja9826)
大学部6年6組 女 
アドリブ歓迎

同行者は恋人の蓮
ガラスボールオーナメント(これなら雨も怖くない☆)を自分風にアレンジ

自分だけの特別
想い出詰めて、楽しんで、そっと飾ろう

ガラスボールは5つ用意
中に形を折った折り紙をチェーンで吊るす
花は蓋部分に飾り的な感じできゅっと

1つめは緋色の鷹
花は千日紅

2つめは白のてるてる坊主
花はストロベリーキャンドル

3つめは青い鳥
花は撫子

4つめは薄紅の桜
花はルピナス

5つめは薄紫の百合
花は鈴蘭

私と縁を結んでくれた大切な人達に
幸福が訪れますように

…えへ
蓮、ぎゅーして(

来週あたり爆死する・ミハイル・エッカート(jb0544)
大学部5年9組 男 
俺にとって学園における最後のクリスマス準備

動画を撮る
章治も手伝ってくれ
俺と章治で一緒に映りたい時は他の誰かに頼む

ルピナスにはもふらのコスプレ、タレ耳に首周りの赤いもふもふ、尻尾付き
ヒリュウには電飾をつけた服を着せてツリーの周りを飛ばす
交互に召還

【花】
花の形のイルミネーション
予算5万久遠以内
色とりどりのLEDライト調達をクリスに頼む
壁走りで高所を飾り
出来上がったら自在花火でツリーのバックに打ち上げ
クリスマスローズ型の花火
沙羅のおかげで花の知識が少しは増えた
花火に合わせてLEDライト点灯

【願い事】
「I'll be back」
学園卒業して会社に戻るが
来年もクリスマスするなら手伝うぜ

沙羅はしばらく学園にいるのか?

桃色おっぱい弁財天・月乃宮 恋音(jb1221)
大学部1年1組 女 

*準備

・前日迄に必要な[料理]の仕込みを終えておく


*行動

・[休憩用]兼[パーティ当日のメニュー用]として[料理]を作成/詳細は[メニュー]参照
・合間に[飾りつけ]のお手伝い
・[動画撮影]協力


*メニュー

・[手毬寿司のリース]:[ベビーリーフ]を敷いた上に[鮪][サーモン][ハマチ][海老][いくら]の[手毬寿司]を[リース状]に並べた品
・[花飾りのカルパッチョサラダ]:薄切りの[サーモン][生ハム][鯛]を[花紙]の要領で[花状]にしたものを使用し[紫玉葱][レタス]等と共に[カルパッチョ]に/[花]ごとに[小皿]で個別に盛り付け

・上記に加え[昨年(=[ツリーを飾ろう2015])のレシピ]も再現/昨年は不在の方も多い為

*アド/絡/称号◎

陰のレイゾンデイト・天宮 佳槻(jb1989)
高等部3年2組 男 
他の人より早めに白いロープライトを木にいくつか
全体の飾りを引き立たせるように上に巻き付けておく
飛行できるとこういう時に便利
例によって鳳凰も召喚して手伝って貰う
高所への飾り付けなど手伝いが要り用なら手を貸す
夜でもこの木がわかるように、空から願い事の存在がわかるように
自分は特に願い事もなくはしゃぐのも違う気がするけど
こうしてひっそりと何かを輝かせて眺めるのは嫌いじゃないと思う

その後
料理をする人もいるみたいだが時間が掛かるだろうし
簡易テントやコンロを借りて作業の合間に休憩出来るように
暖かい飲み物(柚子茶と梅酒のお湯割り)を用意

繋ぎ留める者・飛鷹 蓮(jb3429)
大学部6年4組 男 
○同行者
恋人のユリア・スズノミヤ

○用意
手の平サイズの動物型オーナメント(陶器製

ユリアのオーナメント作りをフォローしつつ、自分のオーナメントも飾る

折り紙は彼女が折る為、チェーンでぶら下げて蓋を
折るモチーフも選んだ花も、ユリアの個性が出ているな
俺は千日紅か
…光栄な花言葉だ(くす

持参したオーナメントをペアにして飾る(ユリアの飾りに添えて
飾り紐は赤

ペアオーナメントは、パンダと赤鷹
もう1つは青いハムスターと黒狼

…パンダは強そうだがハムスターは食われそうだな

頑張る人の応援者・黄昏ひりょ(jb3452)
大学部2年8組 男 
○【願い事】に参加
願い事は「周りの皆が自然の笑顔でいられる日々」
これはもらえるものじゃなくて、勝ち取るもの・守り抜くものかもしれない
だからある意味願いでもあり自分の意思表示でもあるのかもな…

○飾り付け
病気で他界した義妹の好きだったヒマワリをクラフトでなんとか再現
不器用なのもあり、かなり苦戦しつつも完成に至る
不格好な作品ではあるがその分想いはしっかり詰まっている

(あいつの分まで生きるとか、そこまで背負うつもりはないけれど…。天から見守っていてくれよ?
この戦い、最後まで必ず生き延びて見せるから)

作った作品は周りの手を借りつつ上の方へ飾り付け
(決して下は見ず)

その他、アドリブ他参加者との絡み大歓迎

黒燐と舞う黒蝶・ユウ(jb5639)
大学部4年8組 女 
去年のクリスマスは忙しくて参加できませんでしたが、今年は何とか参加できそうですね。
頑張って参加しなくては。

【行動】
ぬくぬく引き籠っているだろうリュールを連れ出し、飾りつけの手伝いを行う
「さあ、リュールさん。ツリーが待っていますよ

・飾り
主にライトアップ用の消耗品の点検修理を地道に行う

闇の翼及び物質透過を利用し、既に飾られている花やモミの木を痛ませず邪魔にならないよう位置を調整しながらライトアップ用の飾りをモミの木に飾り付けて行く

食べ神様・蓮城 真緋呂(jb6120)
大学部2年9組 女 
【花】
学園に来た最初の年から、毎年ツリーの飾り付けをしてきたわね
高1で入学してから…もう大学2年
早いなぁ
色々あったし、私も変わった
…でも、もう少し変わらなきゃ…この先も考えなきゃ…

今年は和紗さんと一緒に、キルトで花の飾りを作成
恒例の商店街で布きれ等を貰い、それをパッチワークで繋いだり
その中にキルトの花も咲かせて、長く長く繋いで
華やかだけど温かい感じにしたいの

願い事は形にせず、このキルトの中に『想い』として込めておこう
どうかこのまま手を取りあえる未来になりますように
大切な人達が笑顔でありますように
『私の未来』が見えますように
…まだ、どうしたいのか分からないから

飾るのは飛べる人に抱えて貰って飾るわね

扶桑の枝・樒 和紗(jb6970)
大学部2年7組 女 
【花】
同行:真緋呂

集めた布切れや手持ちの布…着なくなった着物でも解きますか
それらをパッチワークで長く繋ぎ
その中に更にキルトで花を咲かせて行きましょう
真緋呂と一緒に作ります
布ならば、雨に濡れても壊れる事はありませんしね
冬の花に限らず、四季折々の花を散りばめるのも賑やかで良いかと
この木は四季を通じて島を見守っているのですから


飾り付けは真緋呂に任せます
誰か飛べる者に抱えて飛ぶよう頼むようです
垂らすでも巻くでも、皆の邪魔にならない感じで

「お疲れ様でした
終えて来た真緋呂に、温かいお茶とおにぎりを
「お腹空いたでしょう?(微笑

ハロウィンの夜からずっと何か考えているようだから…俺はそっと見守ります
友達ですから

あおとさくらの紲・木嶋 藍(jb8679)
大学部2年8組 女 
花と聞いて!

〇同行
幼馴染の周くん(jb8699

〇行動
【花】実家から貰った沢山の霞草を編み込んでリースを作る
寒いかなとポカポカ生姜ミルクティーを持参
欲しい人がいればどうぞ!

くるくるって巻き付けてバランスよく……Σって、周くんはやっ、器用!
黄色の薔薇綺麗だね。好きなの?リースに飾るとかわいいね!

リースは他の人の邪魔にならないようツリーに飾る
高い所はみんなの分も陽光の翼で手伝うね
緑に映えて雪が積もったみたいに見えるかな。え?当日雪予報?……大丈夫、きっと(

えっ!?の、のろけないし!?(真っ赤な林檎顔でバレバレ

あーちゃん、なんかあった?
わかるよ、何年傍に居てくれたと思ってるの
大事な幼馴染の心配位させてよ

ネロリの香を抱いて・夕貴 周(jb8699)
高等部3年2組 男 
藍さん(jb8679 と
黄色の薔薇を50本ほど持参(藍さんの実家にお願いして安く仕入れた

(紅茶を頂き
温かい、美味しいです
あなたはいろいろ知ってる
こういうの、自分じゃ飲まないです

【花】
何かを作ることは楽しいですね
丁寧に作りますか
…(薔薇の色の問いに一瞬逡巡し、首を横に振る
ただ白に映えるのでは、と思っただけです
飾りつけは藍さんにお任せします

薔薇を一輪彼女の髪に飾って
…さて、惚気てもらいましょうか
“彼”をどうやって捕まえたんです?

神経がワイヤーロープ・ファリオ(jc0001)
中等部2年1組 男 
アドリブ、絡みなど歓迎。

【行動】
【不朽花】
・基本的にネタに走る。
・桜井・L・瑞穂(ja0027)が花や飾りを布で作った物の中に、どこからか調達した瑞穂の下着(花柄のもの)を紛れ込ませる。自分の仕業と指摘されても「知らないですぅー。勝手に紛れていたんですぅー」とわざとらしく否定。
「テーマは花だから丁度良いと思ったんだけどなぁー」

・ついでに皆がモミの木を飾りつけている場面をカメラで撮影しつつ、それをネットで生放送配信をする。被写体は女性を中心にする。
「撃退士による飾りつけ……これはアクセス数稼げるよ、ふへへへ」
最後に完成したモミの木の写真を撮って、ネットに公開。

蒼色の情熱・藍那湊(jc0170)
大学部1年9組 男 
【花】
大空彼方とオーナメント共同製作
いくつか造花の中に鈴を入れ揺れると音が鳴るよう工夫

★甘菜(別名ベツレヘムの星)の造花でブーケを作り
 頂点へ飾る星をセットしてブーケ状の星に加工


飛行し高所での飾り付け作業

上手くできてるか一緒に確認してくれる?と彼方を姫抱きに
ツリーの周囲を空中デート
飾り(※)に隠した、手製の花飾りを彼方の髪に飾り
僕を導いてくれた一番明るい星は君だから。似合ってるよ
と微笑

完成時演出
スキル使用し氷の花火(識別で無害化
余った花びらを降らせ雪の演出

撃退士・茅野 未来(jc0692)
小等部5年1組 女 
シャヴィを誘ってモミの樹を一緒に飾る
休憩用にいつものドーナツとあったかいお茶準備

【花】
赤いポインセチアの造花と金色のリボンを百均で予算いっぱい購入

「クリスマスのお花…葉っぱ?なの、ですね…シャヴィくんも一緒に飾りつけしませんか、です…
「赤、とってもきれいなの、です…シャヴィくんは何色がすきなの、です…?

「おねがいごと、書いてかざるらしいの、ですね…シャヴィくんも書きますか、です…?
(ペンと紙渡す


童の一種・逢見仙也(jc1616)
高等部3年1組 男 

眺めつつゆっくりやりますか

家にあった廃材のうち、割ときれいなものを選んで持ってくる
木の類なら切り出して接着剤付けて組み立てつつ色ぬって機関車や家を作る
金属なら磨いてとがった部分を削る

ある程度作ったら北京ダックなりケーキなりを飾っている人向けに作る
一足どころか結構速そうだけれどもクリスマスのイベント的なノリで
一服も大事

飾りつけで必要なら翼を使って高い部分に飾る

北風を身に纏い・不知火あけび(jc1857)
高等部3年2組 女 
これは腕が鳴るね!

【花】
同行姫叔父
動画撮影協力
折角だし生花が良い
恋人と来る人も多いだろうから…薔薇なんてどうかな
クリスマス色メインに様々な色の薔薇をツリー下部分に飾る

「ちょっと足元が寂しいかな?
電飾のコードも隠したいし
幹の部分にも薔薇を敷き詰める
冷たい風にふわっと香るのも良いね

え、費用?
商店街の花屋さんの手伝いを一週間程!
バイト代全部薔薇
多分足りないから店主さんが融通してくれてる
エプロン着けた姫叔父大人気だったよー

休憩時
ミハイルさん仙也君に珈琲差し入れ
「紅葉狩りの時のお礼!
弁当籤楽しかったしお菓子も美味しかった

「隙ありー!
姫叔父の髪に白薔薇を一輪差す
やっぱり白も似合うね。美人!

慈愛の聖母様・真里谷 沙羅(jc1995)
大学部2年6組 女 

ルピナスさんとヒリュウさん用に花飾りを作成
クリスマスらしく赤や白を使用し可愛く
一緒に動画に移る
勿論、ミハイルさんやクリスさんとも

【花】
飾る用に生花を家から持参
足りない物は花屋へ行き購入
「クリスさんと一緒に行けばおまけしてもらえるかしら、なんて」
モミの木の根元に持ち帰る事ができる様な小さな鉢に入った花を飾る
カランコエ、クリサンセマム、プリムラ等でクリスマスカラーの物を


花形イルミネーションはミハイルさんを見上げながら下の方を担当
とても綺麗、ミハイルさんはセンスも良いですよね


【願い事】
「縁を持てた全ての方の幸せを」

私は休職中ですしどうしようか迷い中です
ミハイルさんといる事ができると嬉しいですが……

守護なる藤の火影・不知火藤忠(jc2194)
大学部2年3組 男 
あけびは俺が昔本家に持って行った棚に飾る用のツリー位しか見た事ないんじゃないか
…その後庭の立派な松にお手玉やら簪やら飾りまくって怒られていた気がするが

【花】
同行あけび
ウェーブ巻きする様な配置で大小の白薔薇をさり気なく飾る
暖色の電飾も
恋人達の気分も盛り上がるだろう
なぁミハイル、章治?
動画撮影にも協力

花屋の店主はあけびを可愛がっていた
妹分のコミュ力の高さには毎回驚く
桜や藤も飾りたかった
春実物を見に行くとしよう

休憩時
飲み仲間の華宵に珈琲差し入れ
笑い上戸だし飲む時はフォローしないとなと思う←
部仲間の手伝いも

あけびに薔薇を挿され「またか(溜息
男に花を着けたがるな
仕返しにピンクの薔薇を挿す

末期高齢者・華宵(jc2265)
大学部2年3組 男 
学園に来て初めてのクリスマス
色々と大きな節目だったようだけど、その前からずっと貴方は見守っているのね(モミの木に微笑み
今年は私も宜しくね

飛行での手伝いが必要な子は、協力するから遠慮なく言ってね


【花】
防水スプレー
ティッシュ
輪ゴム
以上を3000久遠で買えるだけ購入

お誕生日会とかで作るティッシュのお花、あれを作ってみようと思うの
飾り付け日前からちまちまと作っておいて、濡れても頑張ってくれるように防水スプレーかけて
段ボールいっぱい抱えて持っていくわ
…内職仕事っぽくて結構楽しいわね(ふふ

飛行や壁走りでモミの木に飾り付け
飾りが少なそうな場所をフォローしていくわね

皆の楽しそうな顔を見るのが好きよ


絡み・アドリブ歓迎

『KOB』参加撃退士・大空 彼方(jc2485)
大学部1年4組 女 
*事前に自宅で不用品利用の透明キラキラ系オーナメントを多数作って持参
*LEDを仕込む白い造花を不用品で多量生産、ミハイル氏に提供

手持ち花火を三千久遠分購入しておく

【願い事】と書いてる人の短冊を読まずに回収
学園備品でラミネート加工
紐でツリーに固定


当日

色々な具材のお握りを沢山用意
休憩時に提供

*及び飾り付け作業
藍那 湊と連携協力

最後に皆を花火に誘う

花火中
プレゼントを湊に贈る

※絡み、アドリブ歓迎

※可能なら称号欲しいです




リプレイ本文

●前日まで

「あれ? あけびさんに藤忠さん?」
「お二人ともお店のロゴが入ったエプロンを着けていらっしゃいますが…」
 いつもの花屋を訪ねたクリス・クリス(ja2083)と真里谷 沙羅(jc1995)は、思わぬ所で顔を合わせた二人の姿に目を丸くした。
「あっ、クリスちゃん! 沙羅さんもこんにちは!」
「いらっしゃい」
 その二人、不知火あけび(jc1857)と不知火藤忠(jc2194)は、花を買う資金を調達する為に少し前からここで働かせて貰っていたのだ。
「バイト代だけじゃ少し足りないんだけど、お願いしたらオマケしてくれるって。店長さん良い人だよね!」
 あけびは随分と店長に可愛がられているようだ。
 その彼女に「お願い」されれば、首を横に振るのは難しいだろう。
「まったく、お前のコミュ力の高さには毎回驚かされる」
「姫叔父だってエプロン姿が大人気じゃない、それ目当てで買いに来る人結構いるよ?」
 それはともかく、商売商売。

 クリスは大きなポインセチアの鉢植えを指さした。
「聖夜を彩る花って言ったら、やっぱりこれだよねー」
「うん、でも寒さには弱いんだって。温室でも用意できれば良いけど…」
 バイトのお陰で花に関する知識も増えたあけびが答える。
 クリスマスの象徴みたいな花なのに、ちょっと意外。
「それなら、お外に飾るのは可哀想だね…。うん、じゃあ今回は違う方法考えるね。教えてくれてありがとー」
 沙羅が選んだのは、クリスマスカラーのカランコエ、クリサンセマム、プリムラ等の小さな鉢植え。
「パーティが終わったら皆さんに持ち帰って頂こうかと思って…」
 でも少し予算オーバーかな?
「クリスさんと一緒に行けばおまけしてもらえるかしら、なんて思ったのですけれど」
「うん、交渉はボクに任せてー」
 という事で店長さんに突撃、無事にオマケして貰いました!
「じゃあ、お仕事頑張ってねー♪」

 花屋を後にしたクリスは、ミハイル・エッカート(jb0544)に頼まれた電飾を買いにおもちゃ屋へ。
「こんにちはー、この電飾下さいー」
 手渡したメモには、花の形のイルミネーションを作る為のパーツとなる色とりどりのLEDライトの品番が書かれていた。
「え、予算オーバー? そこを何とか…」
 お店の名前イルミネーションでピカピカ光らせるよ、すっごく目立つよ、良い宣伝になるよ!
 広告費だと思えば安いと思いませんか!
「あ…この赤ランプの電飾、ボク買いますー」
 こっちはちゃんと定価で買うから、という事で交渉成立。
 やっぱり可愛い女の子にお願いされたら嫌とは言えないよね♪


 同じ頃、蓮城 真緋呂(jb6120)は大きな袋を抱えて商店街をハシゴしていた。
 サンタさん?
 いいえ、配る側ではありません。
 そう、去年に引き続き、いらない布きれを貰いに来たのです。
「今年は友達と一緒にキルトで花の飾りを作るの」
 樒 和紗(jb6970)は着なくなった着物を解いて持って来てくれるそうだ。
 そうして集めた布きれをパッチワークで長く繋いで、その中にキルトで色とりどりの花を咲かせて。
「布ならば、雨に濡れても壊れる事はありませんしね」
 さて、どんな花を咲かせようか。
「華やかだけど温かい感じにしたいの」
「それなら…冬の花に限らず、四季折々の花を散りばめるのも賑やかで良いかと。この木は四季を通じて島を見守っているのですから」
「そうね、それが良い」
 二人でデザインを決めて、一針一針丁寧に。
 手間はかかるけれど、手作業だからこそ、そこに作り手の想いを込める事が出来る。
 真緋呂の『想い』が、キルトを形作っていく。

 どうかこのまま手を取りあえる未来になりますように
 大切な人達が笑顔でありますように
 『私の未来』が見えますように

(…まだ、どうしたいのか分からないから)

 そんな真緋呂の様子を、和紗は手を動かしながらそっと見守っていた。
 ハロウィンの夜からずっと何か考えている様子だけれど、答えは自分で見付けるものだと思うから。
 口を出さずに信じて見守るのも、友達の務めだろう。


 茅野 未来(jc0692)は例によって悪魔っ子シャヴィを召喚し、一緒に百均へ。
 目当ては赤いポインセチアの造花と金色のリボンだ。
「クリスマスのお花…はっぱ? なの、ですね…シャヴィくんもいっしょにかざりつけしませんか、です…」
「うん、いいよ」
 あっさり頷いたシャヴィは、どうやらクリスマスが何かという事くらいはわかっている様子。
「よかったの、です…」
 ほっとしたように、未来は頷く。
「赤、とってもきれいなの、です…シャヴィくんは何色がすきなの、です…?」
「僕は…んー、黄色とかオレンジとか、ピンクも好きかな」
 どれも魔界では余り見ない色だから、らしい。
 買い物が終わったら、次は短冊に願いを書き入れて。
「おねがいごと、書いてかざるらしいの、ですね…シャヴィくんも書きますか、です…?」
 こくりと頷いてペンと紙を受け取ったシャヴィは、前にも見た未来の知らない文字で何事かを書き入れた。
「…ずっとこっちにいられたら良いなって」
 それは七夕の時と同じ願い。
「叶うかな?」
「かなうの、です…」
 未来の願いは叶ったから、シャヴィの願いもきっと。
 そして今度は料理の上達を願ってみる。
 ご飯は炊けるようになったけれど、おにぎりが三角になってくれない未来さんなのでした。


「学園に来て初めてのクリスマスね」
 華宵(jc2265)は去年までの記録を眺めながら、ツリーのおめかしプランを考える。
「んー、そうね,今年はお花で飾るってことだから…」
 思いついた。
「お誕生日会とかで作るティッシュのお花、あれを作ってみようと思うの」
 丁寧に形を作って、濡れても頑張ってくれるように防水スプレーをかけて。
「…内職仕事っぽくて結構楽しいわね」
 ふふっと微笑んで出来映えを見る。
 暇を見ては少しずつ作っていくうちに、花は大きな段ボールから溢れる程になっていた。


 学園の倉庫では、ユウ(jb5639)がひとり黙々とイルミネーションの点検修理を行っていた。
 昔ながらのペッパー球を使ったものは電球を交換するだけだから、部品さえあれば簡単に出来る。
 LEDは仕組みが違う為に修理が難しいが、そこは秘密兵器(という名の科学室への持ち込み)で対応すれば良いだろう。
「去年のクリスマスは忙しくて参加できませんでしたが、今年は何とか参加できそうですね」
 当日も頑張って参加しなくては…勿論、あの引き籠もりオカンも引っ張り出して。


「はいはーい、願い事を書いた人はこっちに持って来てねー」
 食堂では、大空 彼方(jc2485)が皆の短冊を集めてラミネート加工を施している。
 備品は学校にあったものをちょっと拝借…あ、ちゃんと許可は取りました!
「読まないから安心してね、読んでも良いなら遠慮なく読むけど」
 これで雨や雪に濡れても安心だし、後は各自で好きな所に飾ってね!

 後は藍那湊(jc0170)と一緒に不用品利用の透明キラキラ系オーナメントを大量生産して。
「付き合って最初のクリスマス、楽しもうね! 湊♪」
「そうだねー♪」
 ついでにLEDを仕込む白い造花を、これまた不用品でどっさりと。
「ほら、これ…揺れると綺麗な音がするんだよ♪」
 作った造花を軽く振り、湊がニコッと微笑む。
「あ、中に鈴入れたんだ! 良いね!」
 作り方を教わって、彼方も早速真似してみた。
「これはミハイル氏に提供するとして、後は…」
「こんなのも作ってみたよー」
 湊は甘菜の造花で作ったブーケを取り出し、それを大きな星飾りにセット。
「甘菜ってベツレヘムの星とも呼ばれてるんだよ」
 ベツレヘムの星とはつまり、ツリーのてっぺんに輝く星の事だ。
 それをブーケ状に仕立てて出来上がり。

 さあ、二人で飾りに行こうか。



●そして当日

 他の人達よりも早めに来た天宮 佳槻(jb1989)は、白いロープライトを用意していた。
 白なら他の飾りを邪魔しない、寧ろ全体の飾りを引き立たせる効果があるだろう。
「飛行できるとこういう時に便利だな」
 例によって鳳凰に手伝わせ――仮にも聖獣だとか、そんな事はもう気にしない――具体的には輪にしたライトを首にかけて運ばせ、そこから少しずつ引き出して幹に絡めていく。
 夜でもこの木がわかるように、空から願い事の存在がわかるように。
(僕は特に願い事もなくはしゃぐのも違う気がするけど)
 でも、こうしてひっそりと何かを輝かせて眺めるのは嫌いじゃない。
 まだ時間もあるし、後はどうしようかと下を見る。
 どうやら料理をする人もいるようだが、流石に時間が掛かるだろう。
 飾り付けにも途中で休憩が必要だろうし、ここは例によって温かい飲み物のサービスでもしてみようか。


 月乃宮 恋音(jb1221)は今年も料理担当だった。
 仕込みを終えた食材を会場に持ち込んで、早くからせっせと腕を振るっている。
 作るものはカラフルで可愛い手毬寿司のリースと、花飾りのカルパッチョサラダ、それに去年と同じタンドリーチキンに豚バラブロック、浅漬けと烏賊のマリネ、ミートローフのベーコン巻、小海老としめじのクリームパイも。
「…昨年は参加されていない方もいらっしゃいますので、同じものを再現してみましたぁ…」
 まるでパーティ本番のような豪華な品揃え。
 もしかして本番はこんなものじゃなかったり…します?


 逢見仙也(jc1616)は家にあった廃材のうち、割と綺麗なものを選んで会場に持ち込んでいた。
「眺めつつゆっくりやりますか」
 木の端材は適当な大きさに切り出して、接着剤を付けて組み立て、色を塗って機関車や家のオーナメントに。
 面白い形をした金属片は、磨いて尖った部分を削るだけでキラキラの飾りになるだろう。
 それが一通り終わったら、飾る前に料理だ。
「一服も大事ですからね」
 作るのは本格的な北京ダック…は、この場で作るのは無理だから家で焼いたものを持って来て、皆の目の前で削ぎ切りを披露。
 ケーキも同じく皆が見ている前で作り、一足どころか結構早いクリスマスのイベント的なノリのパフォーマンスで、胃袋だけでなく目も楽しませる。


「大きなモミの木ですね…樹齢はどれくらいなんでしょうね?」
 雫(ja1894)は、ゆったりと落ち着いた表情で樅の木を見上げていた。
 しかし実は、既に一仕事を終えていたのだ――野生の七面鳥を狩るという大仕事を。
 この島にそんなものが棲んでいるのかって?
 そりゃいるでしょう、だって久遠ヶ原ですもの。
「さて、これはどうしましょう」
 雫は片手にぶら下げた肉を見る。
 既に下処理を終えて、後は美味しく料理するだけなのだが――
「花にちなんだ料理ですか…サフランライス?」
 そこにコレを絡めるには?
「…七面鳥のお腹の中に入れる詰め物をサフランライスをメインにすれば良いかな?」
 よし、決まった。
 なおコンロとかオーブンとか、そんな文明の利器は必要ない。
 石を積んだり穴を掘ったり、それが雫のキッチンだ。


 やがて思い思いの飾りを持った者達が、一人また一人と集まり始める。

「やっぱりてっぺんには大きい飾りよね!」
 雪室 チルル(ja0220)は後ろにひっくり返りそうな勢いで、大きな樅の木を見上げた。
 どんなに背を逸らしても木のてっぺんまでは見えないけれど、多分まだ、誰も到達していない筈だ。
「あたいが一番乗りよ!」
 勢い込んでそう宣言してはみたものの――え、てっぺんの飾りは一番最後に付けるもの?
「し、知ってたわよそれくらい、だってあたいはかしこいんだから!」
 大きな星飾りを根元に残し、電飾の束を担いだチルルは枝や幹を傷付けないように気を付けながら、慎重に木を登って行く。
 梯子? 翼? 壁走り? そんなものはない。
 あるのは元気と体力、そして根性!
 かしこさ? 大丈夫、この作業が火気厳禁なのは知ってる!
 てっぺんから下に向かって降りながら、綺麗な螺旋を描くように巻いていく。
 最後にコンセントに挿して、スイッチオン!
「うん、良い感じに光ってるわ!」
 後は皆が飾り終えるのを待って、星を取り付けるだけだ。
 大丈夫、今日は寝ないよ、寒いから!


「決して枯れず、朽ちる事もない仮初の花…命を持たぬその身を、せめてこの老木の為に咲かせなさい」
 桜井・L・瑞穂(ja0027)は多種多様な布の切れ端を使って、色とりどりの造花を作って来た。
 え、防水対策?
「こんなに良い天気ですのよ? 絶対に濡れることはありませんわ」
 今が晴れていれば、この先もずっと晴れるという謎の確信。
「そんな事より、ご覧なさいな。わたくしが視覚芸術や舞台芸術、その他知識を惜しげもなく注ぎ込んで作り上げた、この美しい…」
 美しい、レースの付いた、とっても際どく過激な…ぱんちゅ?
「ファ〜リ〜オ〜!!」
 こんな事をするのはファリオ(jc0001)しかいないと、瑞穂は目尻を吊り上げてその華奢な身体をがっちり羽交い締めにすると、抱え込んだ頭をグリグリ。
「えー知らないですぅー。勝手に紛れていたんですぅー」
「嘘をつきなさい、こんな物が勝手に混ざる訳がないでしょう!?」
 ちっ、バレたか。
「花柄だし、テーマは花だから丁度良いと思ったんだけどなぁー」
 ほら、ちゃんと綺麗に花に見えるように丸めたし。
「知らない? バラの蕾にしか見えないパンティとか」
「知りませんわ!」
 ほんとは知ってるけど、ネットで見た事あるけど。
「油断も隙もありませんわね、まったくもう!」
 悪戯の罰として、この花を全部飾って…いや、それは危ない。
 またこっそり紛れ込ませるどころか、パンティの満艦飾とかされかねないし!
「飾り付けはわたくしがやりますわ」
「じゃあ僕は撮影係するねー」
 被写体は女性中心、勿論ネットで生配信するよ!
「撃退士による飾りつけ…これはアクセス数稼げるよ、ふへへへ」
 あれ、でもカメラをどこに向けても瑞穂さんが映り込むんですけど?
「当然でしょう? わたくしを撮らずに誰を撮ると言うの?」
「えー、それじゃアクセスがー」
「何か仰いまして?」
 いいえ、何も!


「おっ、あっちでも撮影会か」
 ミハイルは手持ちのビデオカメラを門木に託す。
「章治も手伝ってくれ。俺にとって学園における最後のクリスマス準備だ、格好良く撮ってくれよ?」
「最後?」
「ああ、学園を卒業して会社に戻るんだ。おい、そんな寂しそうな顔するなよ」
 来年もクリスマスするなら手伝うし、呼べばいつでも帰って来るぜ!
 ほら、願い事だってこれだ、「I'll be back」!
「沙羅はしばらく学園にいるのか?」
「私は休職中ですしどうしようか迷い中です。ミハイルさんといる事ができると嬉しいですが…」
「そうか。だがまだ時間はある。ゆっくり考えればいいさ」
 今はこのツリーを完成させないと。
 ミハイルは花の形に作ったLEDライトを手に壁走りで幹を登り、その重さを支えるのに充分な程に太い枝を選んで飾り付ける。
 その周囲には沙羅が作った生花の花飾りを添えて、所々にクリスが作ったポインセチアをセット。
「赤ランプの電飾に、花びら模したビニルカバー作って被せたの。それっぽく見えるでしょー?」
「ええ、とても良いアイデアですね」
 作業の様子を見上げながら、手の届く範囲にも花形イルミネーションを飾りつつ、沙羅が目を細める。
「とても綺麗、ミハイルさんはセンスも良いですよね」
「ありがとう。ついでに短冊も飾って来よう」
 沙羅の短冊には「縁を持てた全ての方の幸せを」、クリスの短冊には「樅の木さんがずっと学園の生徒と友達でありますように♪」と書かれていた。
 それをなるべく高いところに吊して――

「あけびは俺が昔本家に持って行った棚に飾る用のツリー位しか見た事ないんじゃないか」
 樅の木を見上げ、藤忠は感慨に耽る。
「…その後庭の立派な松にお手玉やら簪やら飾りまくって怒られていた気がするが」
「そういう事は思い出さなくていいから!」
 他にも余計な事を思い出されないうちにと、あけびはさっさと作業を始めた。
「これは腕が鳴るね!」
 バイト代+αで調達した色とりどりの薔薇で幹を埋めていく。
「恋人と来る人も多いだろうからね!」
「恋人達の気分も盛り上がるだろう。なぁミハイル、章治?」
 そう言って笑いながら、藤忠は大小の白薔薇をさり気なく飾っていった。
 波打つような配置で、暖かな色の電飾も絡めて――
「桜や藤も飾りたかったんだが、流石に生花は無理だからな」
 春になったら実物を見に行くとしよう。
「んー、ちょっと足元が寂しいかな?」
 少し下がって全体を見渡したあけびは幹の部分にも薔薇を敷き詰める。
「電飾のコードも隠せるし、冷たい風にふわっと香るのも良いね 」
 それを取り囲むように沙羅が小さな鉢植えを置いていき、これで根元の方は完成だ。
 頭上には電飾付きの服を着たヒリュウがふわふわ飛んでいる。
 それを呼び寄せた沙羅は、頭に赤や白の花や柊の葉で作った花飾りを留めてやった。
「おう、似合うじゃないか」
 次に召喚したフェンリルのルピナスにはもふらの着ぐるみを着せ、やはり頭には花飾り。
「はいはーい、ボクも撮ってー!」
 クリスはヤドリギの下のキスを真似て、ミハイルぱぱと沙羅のほっぺにちゅー☆
「樅の木の下では誰にキスしても良いんだよー」
 そんなルールはない?
 いいの、今作ったんだから!


「私はこれを飾るよ〜」
 ユリア・スズノミヤ(ja9826)は恋人の飛鷹 蓮(jb3429)と一緒に作ったガラスボールのオーナメントを飾っていく。
 シャボン玉に折り紙を閉じ込めたようなそれは、折り紙をユリアが作り、それを細いチェーンで吊して蓋をしたのが蓮という、二人の合作だ。
「これなら雨も怖くないよね〜☆」
 蓋の部分に結び付けられた花は千日紅。
「それは俺か。折るモチーフも選んだ花も、ユリアの個性が出ているな」
「うん、花言葉は色褪せぬ愛っていうんだよ〜」
「…光栄な花言葉だ」
 少し照れくさそうに、蓮は目を細める。
 他には白のてるてる坊主とストロベリーキャンドルの組み合わせ、青い鳥と撫子、薄紅の桜とルピナス。
 どれも自分と縁を結んでくれた大切な人達をモチーフにしてある。
 そして最後の一つ、薄紫の百合と鈴蘭の組み合わせはユリア自身だ。
 それを中心に、周りを大切な人達が取り囲むような配置で飾っていく。

 自分だけの特別
 想い出詰めて、楽しんで、そっと飾ろう
 皆に幸福が訪れますように

 蓮のオーナメントは手の平サイズの陶器で出来た動物型。
 それをペアにして、ユリアのオーナメントに添うように赤い紐で吊す。
 パンダは赤鷹と、青いハムスターは黒狼と。
「…パンダは強そうだがハムスターは食われそうだな」
 それと、もうひとつ。
 蓮はユリアには内緒で、ジャスミンで彩ったリースを用意していた。
「あ、良い香り〜」
「一緒に飾ろう」
 二人で手を添えて、手頃な枝にそれを飾る。
 その視界に友人達の姿が映った。


「花と聞いて! 実家から霞草をどーんと貰って来ました!」
「藍さんがリースを作ると聞いて、僕も黄色の薔薇を50本ほど」
 木嶋 藍(jb8679)の実家は花卉農家、本人は勿論その幼馴染である夕貴 周(jb8699)もタダ同然の値段で材料を手に入れていた。
「じゃあ早速作ろうか! でもその前にポカポカ生姜ミルクティーで温まろうね!」
「ありがとうございます…温かい、美味しいです」
 カップに注がれたお茶を一口飲んで、周は静かに微笑む。
「あなたはいろいろ知ってる。こういうの、自分じゃ飲まないです」
「そんな物知りって程でもないけど、言ってくれればいつでも作るよ?」
 あ、皆さんも良かったらどうぞ!
 身体が温まったら、作業を始めようか。
「何かを作ることは楽しいですね。丁寧に作りますか」
「くるくるって巻き付けてバランスよく…Σって、周くんはやっ、器用!」
 今丁寧に作るって言ったのに、丁寧にやっててそのスピードかと藍は目を丸くする。
 その間にも周は手を動かし、白い霞草の間に黄色い薔薇を編み込んでいった。
「黄色の薔薇綺麗だね。好きなの?」
 その問いに、周の手が止まった。
 一瞬逡巡し、首を横に振る。
「ただ白に映えるのでは、と思っただけです」
「うん、リースに飾るとかわいいね!」
 その花言葉は嫉妬。
 別にそんなつもりはない…筈だと思うけれど。
「あーちゃん、なんかあった?」
「え?」
「わかるよ、何年傍に居てくれたと思ってるの。大事な幼馴染の心配位させてよ」
 大事な、幼馴染。
 それ以上には、なれなかった。
「そうですね…淋しいのかな」
 敵わないなと言うように小さく微笑み、周は幼いころの呼び名で優しく呼んでみる。
「…。藍ちゃん」
 その髪に薔薇を一輪。
「…さて、惚気てもらいましょうか」
「えっ!?」
「“彼”をどうやって捕まえたんです?」
「の、のろけないし!?」
 しかし口ではそう言っても、真っ赤な林檎ほっぺが雄弁に何かを語っていた。
「姉が嫁いでいくときって、こういう気持ちになるのかな」
 破顔し、揶揄うように言う。
「お姉さんじゃないし嫁いでないし!?」

「雪のように澄んだ友情…素敵だねん」
 二人の様子を微笑ましげに眺めていたユリアが、そっと呟いた。


「色々と大きな節目だったようだけど、その前からずっと貴方は見守っているのね」
 華宵は樅の木に向かって微笑み、そのゴツゴツした幹にそっと手を添える。
「今年は私も宜しくね」
 そう挨拶してから、枝が寂しそうな所に手製の花を咲かせていった。


「こうやって実際に飾っていくと、一層気分も盛り上がって来るよね!」
「そうだね、クリスマスが近いんだなって実感が湧いてくる」
 佐藤 としお(ja2489)に声をかけられ、黄昏ひりょ(jb3452)は微笑みながら頷いた。
「気が付けば今年も残り僅かだなんて、その実感は未だにないけど!」
 言われてみればそうだと、ひりょは再び頷く。
 その手に握った短冊には「周りの皆が自然の笑顔でいられる日々」と書かれていた。
(これはもらえるものじゃなくて、勝ち取るもの・守り抜くものかもしれない。だからある意味願いでもあり自分の意思表示でもあるのかもな…)
 もう片方の手には、その日が来る前に病気で他界してしまった義妹の好きだったヒマワリの花。
 クラフトで作ったそれは、あちこちに苦労の跡が見受けられた。
 出来映えも我ながら不格好だとは思うけれど、苦戦しながらも完成に漕ぎ着けた分だけ想いはしっかり詰まっている。
(あいつの分まで生きるとか、そこまで背負うつもりはないけれど…。天から見守っていてくれよ? この戦い、最後まで必ず生き延びて見せるから)
 そう祈りつつ、高い枝を見上げる。
 なるべく天に近い所に飾りたいけれど、ひりょには翼も便利なスキルもない。
 その代わり――周りの人の手助けを借りる事は出来た。
 一人では無理でも、仲間の力を借りれば乗り越えられる――それは戦いでも日常生活でも同じこと。
 恥と思わず頼れる事も才能の一つと言えるだろう。
「飛行での手伝いが必要な子は、協力するから遠慮なく言ってね」
 その言葉に甘えて華宵の手を借りたひりょは、高い枝先にヒマワリを飾り付けた。
 決して下は見ないように気を付けながら、その近くに短冊も吊す。
 その意思を、天に向かって示すように。
「ありがとう、助かりました」
「いいのよ、困った時はお互い様って言うでしょ? それに私、皆の楽しそうな顔を見るのが好きよ」
 だから寧ろ礼なら自分が言いたいくらいだと、華宵は微笑んだ。
「頼ってくれてありがとうね」


「さあ、リュールさん。ツリーが待っていますよ」
 炬燵の魔力に囚われて動けないリュールを問答無用で引きずり出したユウは、これまた問答無用で修理を終えた電飾の束をその手に押し付ける。
 この人はこれくらい強引にしなければ動かないし、一度動き出せば結構乗り気で何でもやってくれるのだ。
「リュールさんは光の翼と物質透過を使えますか?」
「当たり前だろう」
 これでも元は大天使、基本スペックは高いのだ――やる気さえ出せば。
「では一緒にやりましょうね」
 翼で飛んで、既に飾られている花や飾りの邪魔にならないように位置を調整しながら電飾を巻き付けていく。
 物質透過を使えば樅の木も飾りも傷付けることなくそれが出来る。
「終わったら何か美味しいスイーツを食べに行きましょうね」
 そう言ってご機嫌を取るのも忘れずに――


「学園に来た最初の年から、毎年ツリーの飾り付けをしてきたわね」
 真緋呂は毎年変わらない姿を見せてくれる老木を見上げる。
「高1で入学してから…もう大学2年。早いなぁ」
 この木はいつも変わらずここにあるけれど。
(色々あったし、私も変わった。…でも、もう少し変わらなきゃ…この先も考えなきゃ…)
 そんな事を思いつつ、誰か手を貸してくれそうな人を探す。
 飛べる人に抱えて貰いたいけれど、流石にちょっと男の人は遠慮したいかも。
 女の子で飛べる人は――
「よかったら手伝おうか?」
 きょろきょろしていると、藍が声をかけてくれた。
 その手を借りて、他の飾りと喧嘩しないような位置にゆるく巻き付けていく。
 両端は風で動きが出るように、固定せずにそのまま下に垂らしてみた。
「ありがとう、助かったわ」
「どう致しまして」
 作業を終えて戻ると、和紗が温かいお茶とおにぎりを用意してくれていた。
「お疲れ様でした。お腹空いたでしょう?」
 微笑と共に差し出されたそれに遠慮なくかぶりついたけれど…足りないよね、多分。
 いや、絶対。
 でも大丈夫、そんなはらぺ娘さんの為に有志の皆さんがご馳走を作ってくれましたから。


 そんなわけで、ここらで少し休憩タイム。
「まずは温かい飲み物をどうぞ」
 いつものように鳳凰にトレイを持たせ、佳槻がドリンクを配って歩く。
 未成年者には柚子茶を、大人には梅酒のお湯割りを。
 テント下のスペースには様々な料理が並んでいた。
 仙也の北京ダックとケーキ、雫のサフランライス入りワイルドローストターキーに、としおのクリスマスでもやっぱりラーメン、それに彼方のおにぎりがどっさり。
 恋音の手毬寿司のリースはベビーリーフを敷いた上に鮪、サーモン、ハマチ、海老、いくらの手毬寿司をリース状に並べたもの。
 花飾りのカルパッチョサラダは薄切りのサーモンや生ハム、鯛を花のように巻いたものをそれぞれ小皿に載せ、紫玉葱やレタスなどの野菜類の上に並べてある。
「仙也君、これ紅葉狩りの時のお礼!」
 あけびは今日も美味しい料理を提供してくれた仙也にコーヒーを差し入れる。
「お菓子も美味しかったよ! それに弁当籤楽しかった!」
 だからミハイルさんにも、はいどうぞ!
 藤忠は飲み仲間の華宵に。
「梅酒も配られてるが、笑い上戸だしな。飲むならこっちの方がいいだろう」
 酒はまた後で、存分に付き合おう。
「あら、ありがとう」
 そんなに心配されるほど酒癖が悪かったかと首を傾げつつも、華宵は素直にそれを受け取った。
 未来とシャヴィはいつものドーナツと温かいお茶でほっこりと。


 休憩が終われば最後の仕上げ。
 雫は壁走りで木の幹を駆け上がり、飾りの薄い部分にキラキラのモールやLEDを巻き付けていく。
 途中の枝にポインセチアを飾ったり、他の人から預かった飾りを取り付けたり。
「当日に雪が降るなら綿を飾り付ける必要は無さそうですね」
「え? 当日雪予報?」
 下の方からリースを飾っていた藍の声が聞こえて来る。
「このリース、緑に映えて雪が積もったみたいに見えるかなって思ったけど…大丈夫、きっと」
 根拠はないけど。


 皆の飾り付けが終わった頃合いを見計らって、湊は木のてっぺんに飛ぶ。
 しかし、そこには先客がいた――けれど、大丈夫。
「その星、ちょっと貸してもらって良い?」
 てっぺんの星はいくつあってもいいと、チルルから受け取った星と組み合わせて――はい、より一層豪華で大きな花の星飾りになりました!
 それを二人で頂点に飾り付け、完成!



●点灯式

 ツリーの背後にクリスマスローズ型の花火が上がる。
 それと同時にスイッチが入り、ツリーの全体がまるで命を得たように輝き出した。
 すかさず写真に収めたファリオが、それを早速ネットにアップする。

「上手くできてるか一緒に確認してくれる?」
 湊は彼方をお姫様抱っこして宙に舞い上がり、上空からツリーの出来映えを見せた。
「上から見るのも綺麗でしょ」
 そう言いながらスキルで花火を打ち上げつつ、余った白い花びらを雪のように降らせる。
 そしてツリーの頂点に近付き、大きな星飾りから何かを取り出した。
「てっぺんの星はひとつじゃなくてもいいけど、僕を導いてくれた一番明るい星は君だから」
 それは手製の花飾り。
 彼方の髪にそれを挿し、「似合ってるよ」と微笑んで、そっと顔を近付ける。
 互いの唇が、そっと触れ合った。
 愛しい人を幸せにする、それが湊の願い事。
 その為に何があっても彼女の元へ帰る。
(彼女が僕の居場所だから)

「…世界はこんなにも鮮やかだったんだな」
 輝くツリーを見上げて蓮が呟く。
「ユリアと出逢えたからだ」
 その言葉に頬を染めたユリアは、ここぞとばかりに思い切り甘えてみた。
「…えへ。蓮、ぎゅーして?」
 ぎゅーっ。

「隙ありー!」
 ツリーに見とれる藤忠の髪に白い薔薇が咲く。
「やっぱり白も似合うね。美人!」
「またか、男に花を着けたがるなと何度言えば…」
 溜息混じりに反撃に出た藤忠は、ピンクの薔薇をあけびの髪に。
 なお白薔薇の花言葉は心からの尊敬、ピンクは温かい心。
 ただの悪戯に見えて、実は盛大な兄妹愛の告白だったのかもしれない。


 最後に彼方が持って来た手持ち花火で完成を祝い、きちんと後片付けをして。
「来た時よりも綺麗にしないとね!」
 率先して掃除をしながら、としおが言う。

 クリスマス本番の為にも、折角おめかしをしたツリーの為にも、ね。


依頼結果/参加キャラクター

依頼成功度:大成功面白かった!:13人
MVP一覧
 −
重体一覧
 −

ラッキースケベの現人神・
桜井・L・瑞穂(ja0027)

大学部4年4組 女 アストラルヴァンガード
ちのうしすうがたかい・
雪室 チルル(ja0220)

高等部3年1組 女 ルインズブレイド
歴戦の戦姫・
雫(ja1894)

中等部2年1組 女 ナイトウォーカー
205号室の合鍵っ子・
クリス・クリス(ja2083)

小等部6年1組 女 バハムートテイマー
ラーメン王・
佐藤 としお(ja2489)

大学部3年7組 男 インフィルトレイター
楽しんだもん勝ち☆・
ユリア・スズノミヤ(ja9826)

大学部6年6組 女 ダアト
来週あたり爆死する・
ミハイル・エッカート(jb0544)

大学部5年9組 男 インフィルトレイター
桃色おっぱい弁財天・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部1年1組 女 ダアト
陰のレイゾンデイト・
天宮 佳槻(jb1989)

高等部3年2組 男 陰陽師
繋ぎ留める者・
飛鷹 蓮(jb3429)

大学部6年4組 男 ナイトウォーカー
頑張る人の応援者・
黄昏ひりょ(jb3452)

大学部2年8組 男 ナイトウォーカー
黒燐と舞う黒蝶・
ユウ(jb5639)

大学部4年8組 女 阿修羅
食べ神様・
蓮城 真緋呂(jb6120)

大学部2年9組 女 アストラルヴァンガード
扶桑の枝・
樒 和紗(jb6970)

大学部2年7組 女 アストラルヴァンガード
あおとさくらの紲・
木嶋 藍(jb8679)

大学部2年8組 女 アストラルヴァンガード
ネロリの香を抱いて・
夕貴 周(jb8699)

高等部3年2組 男 ルインズブレイド
神経がワイヤーロープ・
ファリオ(jc0001)

中等部2年1組 男 アーティスト
蒼色の情熱・
藍那湊(jc0170)

大学部1年9組 男 アカシックレコーダー:タイプA
撃退士・
茅野 未来(jc0692)

小等部5年1組 女 阿修羅
童の一種・
逢見仙也(jc1616)

高等部3年1組 男 ディバインナイト
北風を身に纏い・
不知火あけび(jc1857)

高等部3年2組 女 鬼道忍軍
慈愛の聖母様・
真里谷 沙羅(jc1995)

大学部2年6組 女 アストラルヴァンガード
守護なる藤の火影・
不知火藤忠(jc2194)

大学部2年3組 男 陰陽師
末期高齢者・
華宵(jc2265)

大学部2年3組 男 鬼道忍軍
『KOB』参加撃退士・
大空 彼方(jc2485)

大学部1年4組 女 阿修羅


依頼相談掲示板

ツリーを飾ろう
ミハイル・エッカート(jb0544)|大学部5年9組|男|鬼道
最終発言日時:2016年12月16日 18:26
挨拶表明テーブル
宝井正博(jz0036)|教師0組|男|一般
最終発言日時:2016年12月14日 04:34


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