稲垣千駿
2017年1月1日16時02分
中国本土を狙った振り込め詐欺グループの拠点とみられる施設が昨年、福岡県内で見つかっていたことが、捜査関係者への取材でわかった。出入りしていた台湾人は県警に詐欺への関与を認めたという。中国が標的の詐欺の拠点が日本で明らかになるのは珍しい。
グループは福岡県内から中国に電話をかけ、国をまたいで組織的に現金をだまし取っていたとみられる。ただ日中間には容疑者の引き渡し条約がないため日本での立件は難しく、県警は国際刑事警察機構(ICPO)を通じた中国側への情報提供を検討している。
捜査関係者によると、施設が見つかったのは福岡県古賀市と筑紫野市。昨春と冬、県警が情報提供を受けて立ち入ったところ、それぞれ数十人の台湾人がいた。施設には複数のパソコンや詐欺のマニュアルとみられる文書があった。その後、台湾人の一部が「振り込め詐欺の電話をかけていた」と話したという。
中国人を狙った海外の詐欺集団の存在は近年明らかになっており、2014年にケニアで摘発された。(稲垣千駿)
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朝日新聞社会部