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【コラム 撃戦記】

パンチの威力は田口が上…次回こそKO

2017年1月1日 紙面から

 フルラウンドを戦い終えた直後の会場は、逃げが目立った挑戦者にブーイングの嵐だった。カニサレスは13歳でボクシングを始め、21歳でプロデビュー。無敗で来日しての王座挑戦は、KOで防衛を飾りたい王者の気迫をそぐものだった。

 だが、これもボクシングだ。ゴングとともに飛び出し、左右の動きで的を絞らせないスピーディーな戦いぶりは、見応えがあった。それもフルラウンドにわたってスピードが落ちなかったのだから驚きだった。田口もスピードが売りだが、カニサレスはその上を行くスピードと手数があった。

 だが、パンチの威力は、やはり田口が上だった。王者は序盤で相手のパンチ力を見切ると、長身を利した懐の深さでぐいぐい前に出てプレッシャーをかけた。挑戦者はスタミナが切れて後半はクリンチでしのぐのが精いっぱいだった。

 リングで苦笑いの田口。消化不良のV5防衛にも安堵(あんど)だった。次回はKOでの防衛を期待したい。 (格闘技評論家)

 

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