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【コラム 撃戦記】

分かっていても…内山ガードが精いっぱい

2017年1月1日 紙面から

 試合は序盤の4回までで決まった。4月は衝撃的な2回TKO負けで王座陥落。その空気がまだ続いているかのような出足だった。コラレスの伸びる左に振り回す左右フック。分かっていたはずの内山は、ガードを固めるのが精いっぱいだった。

 苦しい出足はかつてのボクシングスタイルさえも変えていたように思う。高校、大学とアマで実績を積んだ内山は、本来ワンツーを主体にバランスのいいボクシングをするのが信条だ。11連続防衛中は「これぞボクシング」と思わせる華麗さで、見る者を魅了していた。それを狂わせたのが、変則で強打のサウスポーのコラレスだった。

 王座陥落、即再戦は避けるのが普通だ。だが、あえてそれを破り、海外から仮想コラレスのスパーリング相手を招いて準備を進めてきた。それだけに、この結果は無念だろう。

 プロデビューから12年。37歳の体は、技の切れ、スピード、パンチの威力ともかつてのものはなかった。ここで引き際を語ることはやめたい。それを一番感じているのは内山本人だろうから。 (格闘技評論家)

 

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