蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【格闘技】田中恒成が世界2階級制覇 プロ8戦目、日本人最速タイ2017年1月1日 紙面から
◇WBO世界ライトフライ級王座決定戦▽31日▽岐阜メモリアルセンターで愛ドーム▽中日スポーツ後援▽観衆4500人 2017年は統一戦イヤーだ! 前WBOミニマム級王者の田中恒成(21)=畑中=が、元同級暫定王者のモイセス・フエンテス(29)=メキシコ=に5回1分52秒TKOで完勝。日本人最速タイとなるプロ8戦目での2階級制覇を達成した。30日にライトフライ級のIBF王座を防衛した八重樫東(あきら、33)=大橋=らとの日本人王者対決を、「やってみたいと思うのは当然」と熱望した。 強打に耐えて、後半勝負−。そんなイメージの自分を置き去りにする、田中の圧勝劇だった。我慢どころと考えていた5回、右ストレートでフエンテスを追い込むと猛ラッシュ。左フックを顔面にたたき込み、リングにはわせた。 「過去最強」と警戒してきた相手だったが、1回で早くもパンチを見切るとスピード面の優位を確信。一気にペースアップし、2本目のベルト獲得まで突っ走った。 プロデビュー8戦目で初となる故郷・岐阜での大一番。会場は中京高時代の主戦場というだけでない。小学校入学直前、2万人に1人という珍しい病気「ペルテス病」に苦しむ中、休まず稽古した空手の披露の場でもあった。田中のアスリートとしての原点の場所。「成長というか、岐阜の子が頑張ってるところを見てもらいたい」と準備を重ねてきた。 名古屋市内で1人暮らしを始めてから初の世界戦。故郷だからこそ、家族と喜びを分かち合いたかった。試合直前のクリスマスイブには、減量中で食べられないケーキを片手に岐阜県多治見市の自宅に戻った。届けた相手は「癒やしそのもの」という妹の杏奈ちゃん(9)。トレーナーの父、斉さん(49)は「俺も戦闘モードでピリピリ。杏奈のための気遣いだろうね」と話す。父は肩車で祝い、妹は2015年11月に73歳で他界した祖父、健裕さんの遺影を手にベルトのすぐそばで笑顔を見せた。 最終目標には5階級制覇を掲げるが、日本人3人が並び立つライトフライ級の現状にも心が踊らせる。田口良一(ワタナベ)とは11月の東京合宿で顔を合わせ、「いずれは」と誓い合った。故郷で輝きを放った“中部の怪物”が、ボクシング界の中心に躍り出る日が待ち遠しい。 (志村拓) PR情報
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