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【芸能・社会】右近 決意の新年 屋号 高島屋に 右団次 襲名披露興行2016年12月29日 紙面から
市川猿翁(77)=三代目猿之助=の薫陶を受け、澤瀉屋一門の若手リーダーとして力を発揮してきた市川右近(53)の三代目市川右団次襲名披露興行が、来年1月、東京・新橋演舞場で行われる。歌舞伎の家ではない門閥外からの由緒ある名跡の襲名。右近にとっては、大きな栄誉であると同時に屋号が高島屋に変わる一大転機になる。 日本舞踊の家に生まれ、子役で出演した京都南座で猿之助の「義経千本桜 吉野山」の忠信などを見たのがすべての始まり。文句なしのカッコよさにあこがれて弟子入り、ひたすら師匠の背中を追い掛けてきた。 若くして祖父と父を失ってから、自ら道を開拓してきたのが猿之助。フランスのカリスマ振付師モーリス・ベジャールが結成した20世紀バレエ団にならって、一門の若手で21世紀歌舞伎組を組織。浅間山を望む別荘兼稽古場で血のにじむようなけいこを課し、若手を鍛えてきた。 そんな中で頭角を現した右近は、師匠の当たり役だった狐忠信、「黒塚」の鬼女、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」などを演じるまでに成長、「すべての夢がかなったくらいの幸せを感じた」。 が、2003年に猿之助が病に倒れる。市川亀治郎が四代目猿之助、香川照之が九代目中車を襲名するまでの8年間が、「(一門の若手)みんなが飛躍すると同時に試練の時だった」と振り返った。 正月の襲名披露昼の部「通し狂言 雙子隅田川(ふたごすみだがわ)」は約23年ぶり4度目の上演。「猿之助四十八撰」の中でも人気の高いスペクタクル絵巻だ。前回、奴軍介で出演しているが、今回は猿島惣太後に七郎天狗との二役。台本を整理して「筋が非常に分かりやすくなっています」。右近の名を襲名する長男のタケル君(6)と現猿之助との三人宙乗りもある。本水を使っての“鯉つかみ”は、先代右団次も得意とした見どころ。夜の部「錣引(しころびき)」は、花道の引っ込みをつけるなど派手な形になりそうだ。 「師匠から学んできた創造の理念、精神を名前、屋号が変わるからこそ広く歌舞伎の世界に浸透させていくのが自分の役目」との決意を胸に新年を迎える。 公演は1月3〜27日。 (本庄雅之) ◆右近は長男タケル君が来年小学1年生になるタケル君は、父の本名を二代目として襲名することになり「不思議な感じ」という。6月の歌舞伎座での初お目見えでは、じっとしている安徳帝をしっかり演じ、「楽しかった」。今回の「雙子隅田川」では早替わりや宙乗りに挑戦する。「こわい」と不安をのぞかせたが「口上」のあいさつは、バッチリだ。 PR情報
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