蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【格闘技】井上尚弥V42016年12月31日 紙面から
◇WBO世界スーパーフライ級戦30日▽東京・有明コロシアム▽観衆7000人 年末KO祭りだ−。WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(23)=大橋=は前WBA同級王者のスーパーフライ級王者の河野公平(36)=ワタナベ=を6回に壮絶なTKOで破り、4度目の防衛に成功した。IBF世界ライトフライ級王者の八重樫東(33)=大橋=も最終12回に猛攻でTKO勝ちしV2。2017年に世界挑戦を目指す村田諒太(30)=帝拳=は3回KOでプロ12連勝を飾った。3大ビッグマッチがいずれも豪快なKO劇で、観衆は大熱狂。大みそかは東京、岐阜、京都に分かれて5大世界戦が行われる。 これが井上尚の力だ。6回、河野が初めて打ち合いに出てきた瞬間、左のカウンター。その一撃で、8月までWBAの世界ベルトを巻いていた男をマットにはわせた。挑戦者が何とか立ち上がると、今度は嵐のような連打。「タフボーイ」といわれる河野がプライド、意地、すべてをへし折られたようにリングにつぶれ、即座にTKO。新旧王者対決は、あまりにも一方的な幕切れだった。 「今回は相手を見ながら試合することがテーマだったので、強引に行かず、相手を出てこさせるようにしました。狙い通り。今年最後の試合でスッキリ終われてよかった」 5月は両拳痛、9月は腰痛で、不本意な試合が続いた。特に9月は、父でトレーナーの真吾さんに心配をかけまいと試合前に「腰は完治した」と伝えたため、その言葉を信じた真吾さんが「完治したのになぜいいボクシングができないのか」と混乱。親に心配をかけたくないという思いと、トレーナーとして体調をすべて伝えてほしかったという父の思いのすれ違いだった。 真吾さんは、ボクシングのことは考えたくもなくなったと家を飛び出し、3日間も帰宅しなかった。知人に会わないよう、2日間も車中泊していたという。だが、親子は約1週間後に息子から持ち掛けて話し合い和解。つながりはさらに強くなった。 「練習通りのことをやってくれた。本当によかった」と、真吾さんは目を細める。ジャッジの採点も1人が5回に河野につけただけ。ほぼワンサイドの勝ちは、親子がさらなるレベルアップを果たした証しでもあった。 「点数は70点。まだ接近戦での体の使い方に課題がありました」と、井上尚。なお自己採点が辛い理由は、パウンド・フォー・パウンド(全階級最強)と称されるWBC同級王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)を見据えているから。怪物・井上尚はこのまま世界最強へ向け突き進む。 (藤本敏和) PR情報
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