慰安婦問題象徴する少女像の除幕式 日韓関係に摩擦も

慰安婦問題象徴する少女像の除幕式 日韓関係に摩擦も
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韓国、プサン(釜山)の日本総領事館の前に慰安婦問題を象徴する少女像を設置した学生らは31日夜、像の除幕式を行いました。慰安婦問題での合意を契機に日韓関係は去年、大きく改善しましたが、この新たな像の問題などをめぐって、ことしは摩擦も予想されます。
韓国南東部のプサンにある日本総領事館の前に、慰安婦問題を象徴する少女像を設置した地元の学生らで作る団体は、31日午後9時から除幕式を行いました。

警察が厳重に警戒する中、およそ3500人の市民らが少女像の周辺や総領事館に近い公園に集まり、団体のメンバーなどが像にかけられていた幕を外すと大きな拍手が湧き起こりました。続いて、参加者たちは慰安婦問題をめぐる、おととし12月の日韓両政府の合意を無効にすべきだなどと主張する声明を読み上げました。

この像をめぐっては、外務省が韓国政府に対して早急な撤去を求め、韓国外務省も「外国の公館の保護について検討する必要がある」として、像をほかの場所に移すことについて団体側と協議したいという意向を示しています。

ただ、パク・クネ(朴槿恵)大統領が職務停止となって、政府の求心力が落ちているだけに、外交関係者の間では世論の反発を抑えて、像を移すよう団体を説得するのは容易ではないという指摘が出ています。

日韓関係は慰安婦問題の合意を契機に去年、大きく改善し、安全保障上の機密情報を共有・保護するための協定=GSOMIAを締結するなど、幅広い分野で協力関係が深まりましたが、プサンの新たな少女像の問題のほか、韓国の野党が慰安婦問題の合意を撤回すべきだという主張を強めていることから、ことしは摩擦も予想されます。