35歳のおっさんが今19歳に戻ってバイトをガチで選ぶとしたら
竹田さん  
インタビュー日時:2016-12-10
■アルバイトの選び方に後悔
2000年の春、19歳で地元静岡から上京して都内の大学に入学しました。それなりに楽しく過ごしましたが、いま考えるとアルバイトはもっと将来のことを考えて戦略的に選べば良かったなと後悔しています。 あの頃バイトとは、お金を稼ぐために仕方なくやらなければいけないものと捉えていたので、なるべくラクでゆるいところ、楽しいところといったような基準で選んでいました。 そこであの頃よりも多少世の中を知り、少し賢くなった35歳の筆者がいま19歳の自分にガチでアドバイスするとしたら、どんなことを伝えたいのか、考えてみました。考え方自体はすでに社会人として働いている人にも有効な部分も多いと思いますのでよかったら参考にしてください。■これからの時代の判断基準
まずはじめに伝えておかなければいけないのは、いま社会は急速に「高生産性社会」に入ってきているということです。今後、僕たちの住む世界はあらゆる場面でこの高生産性社会が進みます。これはどういうことなのでしょうか。ちきりんの著書『自分の時間を取り戻そう』では下記のように解説されています。高生産性社会へのシフトとは、「社会全体が、生産性が高まる方向にどんどん動いていく」という意味です。つまりこれから世の中に存在するあらゆる資源は、いままでよりはるかに高いレベルで有効活用されるようになるのです。もちろんこの動きは今に始まった話ではありません。産業革命が起こり、手作業でつくっていた商品が機械で作られるようになりました。 これは生産性の低い製造方法が、生産性の高い製造方法に置き換えられたという意味で、高生産性シフトです。しかし注目すべきは、そういった高生産性シフトのスピードとその起こる範囲が、ここのところ一層急速になり、かつ拡大し始めているということです。
『自分の時間を取り戻そう』から引用 その代表的な事例として、個人が自分の空き時間に自家用車で乗客を運ぶUberのようなサービスや、個人が自分の家を宿泊施設として貸し出すAirbnbといったサービスをあげています。この2つのサービスを通して、「車の空き時間」、「家の空きスペース」、「人生で余っていた時間」という3つの資源が有効活用されるようになったのです。 従来のタクシーはお客さんを乗せずに走っていたり、駅前で列をつくって待っていたりする生産性の低いビジネスでしたが、そこにこういった新しい生産性の高いサービスが参入してきたのです。 現在日本ではタクシー業界や旅館・ホテル業界が必死で抵抗していますが、いずれも圧倒的に生産性の高いシステムに移行していくと考えられます。だからこれから仕事する分野や仕事を選ぶ際にも、できるだけ生産性の高い分野を選んでいく必要があります。■機械に奪われそうな仕事
では、機械に奪われそうな仕事のランキングを見ていきましょう。 【機械が奪う仕事・職種ランキング(米国)】 ※週刊ダイヤモンド2015年8月22日号より作成 1ドル100円換算 このようなランキングになっています。奪われる仕事のトップは14兆円規模の小売店販売員でした。Eコマースの発展を見れば容易に想像できるが、2位に挙がってきたのは会計士で、代替市場規模は11.8兆円になります。 一番はじめに機械に奪われる仕事は、単純労働でも自動化しやすい仕事でもなく、機械に変わると大きく生産性があがりそうな仕事です。逆に機械に奪われなさそう仕事は、取って変わられたとしても、さほど生産性に影響がない仕事です。 その業務に取って代わる機械を開発するのにもコストがかかるので、まずは市場のインパクトが大きいところから優先的に開発がすすんでいくでしょう。だからニッチな仕事で機械に任せるニーズがあまりない仕事はしばらく残ると思います。こういったことも考えながら経験を積む必要があります。■人生というゲームのルールを知ろう
社会に出てからわかったことがあります。それは学生だろうが、社会人だろうが、先に動いた人が先行者メリットを享受できるということです。この当たり前のことに気づくまでだいぶ時間がかかってしまいました。 ですから大学生だとしてもいち早く動いて経験を積む方が今後の人生が有利になります。ではどんな経験を積めばよいのでしょうか。それは「生産性の高い働き方」が身につけられる場所で働く経験です。 具体的には「高生産性シフトのビジネス」を手がけるベンチャー企業でアルバイトするのが良いと思います。「高生産性シフトのビジネス」というのはどういったものなのか体感しながら「生産性の高い働き方」を早めに身につけることができます。 ただし一口にベンチャー企業といってもピンからキリまであって、まったくイケてない企業もたくさんあります。その中から働く価値のある優良なベンチャー企業を探す一番簡単な方法は、投資ファンドから数億円単位で出資が入っている企業を調べることです。投資ファンドなどでググれば有名なところがすぐに出てきます。 そういった投資ファンドから出資が、厳しいデューデリジェンス(投資調査)を経て投資の意思決定が成されています。数億円を投資しているから当然ですよね。そういった企業は明らかに一定の基準をクリアしているので、数十パーセントの確率でIPOまでいく可能性があります。 当然ながら優秀な人材も集まってくるので、その人たちから多くのことを学べるでしょう。またそういったベンチャー企業で働く人たちは数年単位で転職することが多いので、そこで知り合った人はいろんな企業に移っていき、あなたの人脈になっていきます。なるべく多くの人と接してたくさん会話をして、かわいがって貰いましょう。 大学の4年間で4~5社ぐらいをアルバイトで経験すれば何も考えずにラクなところで働いていた昔の自分のような人とは大きく差が開くでしょうし、就職活動をするまでもなく、アルバイトで知りあった人のつながりで就職がしやすくなるかもしれません。 地方に住んでいる人は、うちの近くにはそんなベンチャー企業なんかないぞと不満に思うかもしれませんが、残念ながらそれが現在の東京一極集中の現実でもあります。 それに地方でも大手のチェーン店などで、高生産性を実現している企業がたくさんあるハズです。そういった企業で働き、どこにポイントがあるのかを体感することも大きな学びになると思います。
■自力でお金を稼いでみる
アイバイト以外で是非チャレンジしてほしいのが、時間給でない形でお金を稼ぐ経験です。今はネットがあるので、モノを仕入れたり作ったりすることも、それを販売することも以前より簡単になりました。 それだけで生活していくのは難しいですが、月に数万円ほど稼ぐのは難しくありません。クラウドワークスやランサーズで仕事を受けてみるのもいいでしょう。 自分で何かしらの商売をすると、時給とはなんだろうと考えるようになります。時給とは自分の時間を切り売りする行為です。それが理解できれば、より成長できるアルバイトをしたいと考えが変わると思います。 そこまで意識が高まればどんなバイトからも多くの学びがあるでしょう。どんなバイトをするかも大事ですが、どんな意識で働くかの方がもっと重要です。15年後の自分が今の自分にアドバイスするとしたら、どんなことを言うか、この機会に考えてみてください。PICK UP !
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