稲田朋美防衛大臣が29日午前7時55分ごろ、A級戦犯も合祀されている東京の靖国神社を参拝した。安倍晋三首相に随行して26・27の両日(現地時間)、米国の真珠湾を訪れ、そこから帰国してまだ1日しか経っていない。
現職の防衛大臣として初めて靖国神社を訪れた稲田氏は、参拝後、取材陣に対し「(芳名録に)防衛大臣稲田朋美と書いた」と語った。個人ではなく防衛相の資格で参拝したことを明確にしたのだ。安倍内閣でも指折りの極右に挙げられる稲田防衛大臣は「南京虐殺は虚構」「慰安婦はその当時合法」といった発言から、「女安倍」という別名でも呼ばれる。
韓国政府は、先月23日に韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を締結してからわずか1カ月ほどという時期に稲田防衛大臣が靖国神社へ参拝したことを強く批判した。
韓国外交部(省に相当。以下同じ)と国防部は29日、それぞれ丸山浩平・総括公使代理、高橋秀彰・防衛駐在官を呼んで抗議を伝えた。外交部は、報道官の論評を通して「日本の責任ある政治家が、過去の植民侵奪と侵略戦争を美化し、戦争犯罪者を合祀している靖国神社を参拝したことに対し、慨嘆を禁じ得ない」とコメントした。
国防部も立場に関する資料を出して「これまで韓国政府は、歴史を直視する中で未来志向的な韓日関係を新たに作っていくべきことを、繰り返し強調してきた。今回の参拝に深刻な懸念と遺憾を表明する」とコメントした。