フランスの原発で、日本製の欠陥部品が使われていることが判明。フランスでは大問題になっている。しかし日本ではほとんど話題になっていない。そこで専門家を直撃、この問題がどれだけヤバいのかをリポートする!
最悪の場合はメルトダウンの恐れあり!?

交換作業のため、シェルブール港に搬入されたフラマンビル原発の蒸気発生器
原発大国フランスで、原発12基が、緊急点検のために停止させられるという異常事態になっている。蒸気発生器や圧力容器などの原発の最重要部品の鋼材の強度不足が発覚したためだ。問題は、この強度不足の部品を提供した企業「日本鋳鍛鋼」は、日本の原発にも部品を提供しているということだ。
日本の原発でも、強度不足の部品が使われている可能性があるのだが、原子力規制委員会は書面上のデータだけで「問題なし」としてしまっている。
「これはフランスのみならず、世界の原発業界全体を揺るがしかねない大問題です」。深刻な面持ちで語るのは、ショーン・バーニー氏。環境NGO「グリーンピース・ドイツ」で原発問題を担当する専門家で、今回発覚した強度不足問題についての調査や意見交換のため、緊急来日中だ。
「’14年末に建設中のフラマンビル原発3号機の原子炉圧力容器に使われている鋼材が基準を満たさないものであることが発覚し、ASN(フランス原子力安全局)は、同じような問題がないか、フランスで58基ある原発すべての調査を行うよう指示しました。その結果、18基の原発で類似の問題があるとされ、うち深刻だと思われる12基の原発を停止するよう、ASNは命令。順次、原発を停止して徹底的な点検を行っています。これらの停止命令が下された12基の原発に鋼材を提供していたのが、日本鋳鍛鋼です。そして、日本で再稼働した川内原発1号機、2号機など、日本でも17基の原発で日本鋳鍛鋼から供給された鋼材が使用されています。つまり日本においてもフランスと同じように、原発の最重要部品で強度不足の鋼材が使われている疑いがあるのです」(バーニー氏)