注目されている体罰問題!
教員はどう向き合っていくべきなのでしょうか!?
〇体罰問題の現在
2015年1月30日、文科省が教師の体罰に関わる調査の結果を発表し、およそ4000人を処分したことを明らかにしました。
これは桜宮高校バスケット部での体罰問題で入った文科省の一斉調査の結果だそうです。
桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた
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私の学校でも調査が入り、教員向けのアンケートの他に、全校生徒からもアンケートを取りました。
もちろん私は体罰をしておりません。
自分が小学生や中学生だったころどうだったか思い出してみると、当たり前のように体罰はありました。
が、それは言っても意味のないこと、時代に適していないことだと思います。
体罰問題の話になると必ず「昔はなあ…」と言う人がいますが、昔は昔、今は今ですよね。
体罰は殴る蹴るなどの暴力であれ、言葉の暴力であれ、絶対に許されないことだと思います。
最近では日体大が体罰問題に本気で取り組んでいるということでニュースになりました。
体罰が許されないという点については特にこのブログで触れるまでもなく、みなさん承知のことと思いますので今日は別のポイントのお話をしたいと思います。
体罰問題を考える中で、私が注目しているのは
「なぜそれが問題になってしまったのか?」ということです。
「いやいや、殴ったら問題でしょ。ひどい言葉を使ったら問題でしょ。」
そうではないのです。
体罰問題は子どもが、そして保護者が体罰問題と認識して初めて問題となります。
さて、「なぜ体罰問題となってしまった」のでしょうか?
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〇教員が保護者や生徒との信頼関係が築けていないのではないか?
体罰が問題として出てくるということは、教員が子どもとの関係を十分に作れていないことが原因の一つとしてあげられるのではないかということです。
教員が子どもとの信頼関係をしっかりと築けていれば、正直よほどのことがない限り問題化しません。
普段からコミュニケーションを取り、互いに理解できている状態=信頼関係が築けているときに多少厳しい指導をしたとしても子どもや保護者の方は理解してくれます。
その信頼関係を築けていないのに、子どもを力でねじ伏せようとするから問題化するのです。
信頼関係が築けない焦りからくる場合もあるかもしれませんね。
また、体罰が問題化する二つ目の原因として、フォローの不足があげられると思います。
事情があって厳しい指導をすることもあるかもしれません。
教員の仕事の特性上、厳しい指導が必要なシーンは絶対にあります。
たとえば、友達に「死ね」などと言う生徒がいたら、私は思いっきり叱ると思います。
厳しい指導をしたら、必ず丁寧なフォローが必要です。
先の例の場合であれば、別室で丁寧に指導すると思います。
「君は絶対に言ってはいけない友達を傷つける言葉を言った。だから先生はあんなに厳しく叱ったんだよ。」
分かってくれるまで対話をしてから帰しますし、場合によっては一緒にその子の自宅に家庭訪問し、保護者の方に丁寧に説明します。
そのフォローがなければ、場合によっては
「あの先生あのくらいであんなに怒っちゃって。これ体罰じゃないの?」という子どもが出てきたり、「うちの子が悪いとはいえ、あんなに厳しい指導することないじゃないですか」と保護者の方から言われたりすることも出てくるかもしれません。
丁寧なフォローをすれば、問題化にいたることはありません。
以下の記事でも触れています。
私の尊敬する日大三高野球部の小倉監督とお話した際には、小倉監督もフォローの大切さを説いていらっしゃいました。
小倉監督が厳しい指導をした後には必ずその子を見守るそうです。
そして、もしその子の様子が変だったら、呼んで話をする=フォローを入れるのだそうです。
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〇「体罰をしない」ではなく、普段から丁寧な指導を!
昨今、体罰問題を恐れて、教員が思ったような指導ができないなどと取り上げられることがあります。
実際、知り合いの教員からもそのような話を聞いたことがあります。
そんなときだからこそ、今回あげたポイントを考えて欲しいのです。
私は体罰を肯定したいのではありません。暴力は絶対に許されません。
たとえどんなことがあっても問題化しない信頼関係作りをし、厳しい指導の後は必ずフォローを入れる。
普段の指導からそういった問題化させない指導を徹底すれば、体罰問題など恐れることはないということを言いたいのです。
以上、体罰問題について思うことでした。
どんな仕事でも、普段から真摯に取り組んでいれば周りが見ているということですよね。
こちらの本も参考になればと思います。
また、叱り方については何度も当ブログで取り上げています。
関連記事です。