井上尚弥TKOで4度目防衛 河野善戦も撃沈
「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(30日、有明コロシアム) 王者・井上尚弥(23)=大橋=が、挑戦者で前WBA同級王者の河野公平(36)=ワタナベ=を6回TKOで下し、4度目の防衛に成功した。
注目が集まった日本人同士の世界戦。左のジャブで大方の予想通りに主導権をつかんだ井上に対し、河野も強引に前に出る。1回中盤には左右フックの連打で会場を沸かせた。
前日計量での「2回、8回くらいに何かが起きる」の予言通り、河野は2回のゴングとともにラッシュ。コーナーに追い詰めたが、井上も反撃。接近戦での打ち合いの中、井上は終盤に強烈な左ボディーをお見舞いし、ペースを譲らなかった。
3回は左ジャブで距離を取った井上が、顔、ボディーに強烈なパンチを打ち分ける。完全な井上ペースとなり、河野は防戦一方に陥った。ところが4回序盤は井上の手数が極端に減少。河野は接近戦から連打を見舞うが、井上はガッチリ防御をかため、決定打を許さない。終盤には、左右の連打で河野の足元をふらつかせた。
5回は右のショートアッパー、左ジャブを有効的に使う井上と、距離を詰めて連打を見舞う河野ががっぷり四つ。両者一歩も譲らない一進一退の展開となった。
試合が動いたのは6回。序盤、井上はカウンターの左からこの試合初のダウンを奪う。立ち上がった河野だったが、井上は連打の手を緩めずTKO勝利を決めた。
井上尚弥の戦績は12勝(10KO)無敗。河野公平の戦績は32勝(13KO)10敗1分。