「家ではあなたはコンピューターが使える状態ですか?」という設問
に、日本は、集計された47カ国中なんと46位という結果だった
2016年12月30日 金曜日
◆日本の子供は賢いがコンピューターが使えない 12月21日 遠藤諭
54万人のアンケート結果をPythonでながめてみる
OECDによる「生徒の学習到達度調査」(PISA=Programme for International Student Assessment)の調査結果が、12月はじめに発表された(PISA 2015)。世界の72カ国(および地域)約54万人の15歳を対象とした調査で、日本は、数学が5位、読解力が8位、科学が2位とよい成績だった。これは、素晴らしいニュースである。ところが、読解力に関しては順位・平均得点ともに前回(2012)より下がっていて、その理由として、:「今回からコンピューター使用型調査となったために、日本の生徒が不慣れだった」という指摘がされている。
国立教育政策研究所が、「読解力の向上に向けた対応策について」というドキュメントを公開していて「紙ではないコンピューター上の複数の画面から情報を取り出し、考察しながら回答する問題などで戸惑いがあったと考えられる」などと書かれている。一部のニュースに「文字が小さく読みづらくなっていた。台湾も急落した」などとも書かれていたが、そればかりではないようだ。
PISA 2015の調査結果は、約54万人の生徒の回答が1件ずつのデータベースとして公開されている。これには学習環境に関するアンケート結果も含まれていて、私も、いままで資料等で引用させてもらったりしてきたものだ。ところが、これが600以上の設問からなりコンピューターやネットに関しても詳しく聞いていると知って、今回、はじめて自分でデータに触ってみたいと思った。単純に設問項目から"コンピューター"、"インターネット"、"デジタル"で拾ってみただけでも60以上の設問があるようだ。ということで、まずは以下の非常に基本的なデータを眺めてみた。
設問ID 設問内容
ST012Q06NA 家にコンピューターは何台ありますか?
ST012Q05NA 家に携帯電話(スマートフォン含む)は何台ありますか?
IC001Q01TA 家ではあなたはコンピューターが使える状態ですか?
IC001Q03TA 家ではあなたはタブレットを使える状態ですか?
IC001Q04TA 家ではあなたはインターネットを使える状態ですか?
IC009Q01TA 学校ではあなたはコンピューターを使える状態ですか?
IC009Q03TA 学校ではあなたはタブレットを使える状態ですか?
IC009Q05NA 学校のコンピューターはネットに繋がっていますか?
(中略)
日本の教育におけるデジタル機器利用は世界最低クラス……これを誰がどうするのか?
まずは国(および地域)ごとの15歳のコンピューターの利用環境・利用状況を見てみよう。「ST012Q06NA:家にコンピューターは何台ありますか?」(ST012Q06NAは上の表にあるように設問ID)の結果は、次のようになる。自分専用のコンピューターがあるかの目安として「3台以上ある」の割合の高い順に並べてみた。その結果、日本は53位。ちなみに、家にコンピューターがない「無コンピューター家庭」の占める割合では、日本は、24位である(国だけでなく地域でも集計されているので必ずしも国の順位ではないのだが)。
日本よりも「無コンピューター家庭」の割合が多いのは、インドネシア、ベトナム、アルジェリア、ペルー、ドミニカ、メキシコ、ブラジル、チュニジア、トルコ、コロンビア、タイ、コスタリカ、プエルトリコ(米国)、ヨルダン、中国、ウルグアイ、モルドバ、レバノン、グルジア、ルーマニア、コソボ、チリ、トリニダードトバゴだ。所得等から考えると日本はかなり低いと言わざるをえないが、米国も26位につけている。
そこで、「ST012Q05NA:家に携帯電話(スマートフォン含む)は何台ありますか?」を集計してみると次のようになる。これも3台以上の割合の高い順で並べてみよう。すると、いきなり日本は9位に浮上してくる。日本の家庭は、モバイルは普及しているがコンピューターはあまり使われていないといえる。
「IC001Q01TA:家ではあなたはコンピューターが使える状態ですか?」という設問も用意されている。これについて、日本は、集計された47カ国中なんと46位という結果だった。これは、いささかショッキングな数値である。
「IC001Q03TA:家ではあなたはタブレットを使える状態ですか?」についても集計してみた。結果は、ご覧のとおり上位にくる国々がヨーロッパ各国へとガラリと変わってくる。トップの英国など、タブッレトを使っているが75.22%と、コンピューターを使っているの61.91%を上回っている。日本は、いま教育関連へのタブレット活用が進みつつあるように見えるが、順位としては47カ国中41位だった。
それでは、「IC001Q04TA:家ではあなたはインターネットを使える状態ですか?」を見てみよう。結果は、47カ国中39位とこれも低めだが「使える状態で、なおかつ使っている」と答えた生徒は86.52%には達している。家でインターネットが使えると答えた生徒のほうが、家でコンピューターが使えるよりも数字が大きいのは、スマートフォンやタブレットを利用できるからだろう。
しかし、このグラフはよく見ると無視できない状況をあらわしていると思う。ほとんどの国が90%以上の高い水準と“家で子供がネットを使うことが世界的な了解事項となっている”といえる数値であるのに対して、日本は一段低い水準となっているからだ。日本以下は、ブラジル、コスタリカ、タイ、コロンビア、中国、ドミニカと続くが、これらも70%台の利用率ではある。日本は、ネットが来ている割合は90%を超えている(ITU の「ICT Statistics」によると、日本のネット普及率は93.33%という数字になっているからこのデータの93.18とも整合性はある)。ところが、生徒が使っているとなると80%台に落ちてしまう。
これには、学校でのデジタル機器の利用とも関係があるとも考えられる。そこで、「IC009Q01TA:学校ではあなたがコンピューターを使える状態ですか?」を見ると、以下のとおり47カ国中39位となった。
「IC009Q03TA 学校ではあなたはタブレットを使える状態ですか?」の結果は、次のとおりだ。47カ国中45位。コンピューター以上に厳しい数値だ。
そして、「IC009Q05NA 学校のコンピューターはネットに繋がっていますか?」だが、これは47カ国中39位という結果となった。
家でも、学校でもコンピューターやタブレットを使える環境に置かれているとはけして言えないのが、日本の子供たちというわけだ。それは、ネット利用の意味も変えてくる。問題は、これでよいのかということだ。少なくとも、PISA 2015では、日本の15歳がコンピューターの画面に不慣れためにつまずいた。たぶん、これと同じようなことはPISAの試験を受けるときだけでなく、現実社会のさまざまな場面で起こるはずである。
それは、15歳以降でキャッチアップしていければいいという意見もあるかもしれない。なにしろ、スマードフォンやタブレットのほうが新しいデバイスだから、教育には、そちらのほうが合理的だという見方もあるだろう。実際、ちいさな子供ほどモバイル機器やハンディゲーム機の中でも細かいことができる傾向はある。しかし、現実は、そうシンプルなものではない。たとえば、世界中が大きくそちらに動いているプログラミングに関しては、現状としてはまだタブレットよりもコンピューターの方が効率的なのは間違いない。
スマートフォンとタブレットとコンピューターは、それぞれソリューションが異なるのである。スマートフォンは、SNSなどネット上の居場所などへの“アクセス”が中心であり、“フィルターバブル”という自分周辺の世界が中心になりがちだ。タブレットはウェブやコンテンツの“閲覧”や物事を俯瞰するのに向いている。それに対して、コンピューターは前提として面倒なことも少なくないが“使う人間との共同作業”を得意とする。これらを、いま世界を動かしている企業がやっているように場面ごとに使いわけて活用しまくるという当たり前の話だ。
ある教育関係者に聞いたのだが、日本の大学生で卒業時に「プログラミングがきちんとできる」といえる学生は、全体のわずか数パーセントだそうだ。これによって、日本がやりたいことも大きく違ってくるはずなのにだ。問題は、成績が良かったというPISAの15歳よりも後の段階ではないのか?
(私のコメント)
最近は日本のGDPが何故伸びないのか、と言った事を書いていますが、生産性が低いのも関係した問題だ。職場や家庭でのコンピューターの使用割合を見れば、日本が異常に低い事がアンケート調査で分かった。日本の若者がコンピューターを使えない事は前にも書きましたが、学校でも家庭でもコンピューターを使っていない。
日本人のコンピューターに対する拒否反応は、アンケート分析にも現れているように異常な数値だ。私などはパソコンを常時3台使っているが、使ってないパソコンを含めれば6台もある。現在ではパソコンも安くなり、最新型の薄型ノートパソコンが3万円台で買える。中古なら1万円以下で買える。
しかしネットに繋いで使うとなると最低5000円以上かかるし、スマホを使うとなると更に1万円近くかかる。スマホで最高級なものは10万円近くもするから、子供にスマホを買ってあげたらパソコンにまで手が回らないのかもしれない。
パソコンも最近ではコンパクトで使いやすくなり、故障もトラブルも最近ではほとんどない。周辺機器もUSBでほとんど繋がりデバイスもインストールしないで自動的に使える。しかし最近ではスマホでネットを利用する事が主流になりパソコンは売れなくなった。
「株式日記」はパソコン用に作られているので、スマホでも見られるが長文なのでスマホでは読みづらい。だから読者も最盛期に半分になりましたが、それだけパソコンユーザーが減って来ているのだ。つまり以前パソコンを使ていた人もスマホだけを利用するようになった人が多いようだ。
以前も学校におけるパソコン教育が遅れている事を書きましたが、日本の学校でパソコン教育が進んでいないのは教える先生がいないためであり、学校の先生にはパソコンの苦手な人が多いのは何故なのだろうか? 学校の先生は黒板にチョークで手書きで書くから、キーボードを使わない。
学校がIT化に遅れているのは、世情に疎い先生が多いためであり、頭がコチコチで10年一日のごとく毎年同じ事を教えているためだ。だから新しい物事を嫌う傾向がある。パソコンに対して関心を持つ先生は僅かだ。教育にパソコンはマイナスだと考える先生もいるくらいだ。
しかしパソコンに大画面ディスプレーを繋いで使えば、黒板にチョークで書く事も必要が無くなり、ペンタブレットを使えば電子黒板に自由自在に書く事が出来る。更に動画を使って教えれば生徒も分かりやすいだろう。あるいは教室すらいらなくなり、ネットを使えば先生と各家庭を繋いで教育も出来る。
このようにコンピューターとネットを使えば、今までできなかったような教育が可能になるのですが、そうなれば学校の先生も失業すると言った事も考えられる。日本に居ながらアメリカの学校教育も受けられる事も可能だ。英語学習ではそれはすでに実現している。しかしそうなれば英語の先生が失業する。
考えてみれば、「株式日記」もネットで政治経済や外交防衛などを講義しているようなものであり、実質的に私は大学教授のような事をしている。だからと言って授業料も取らないし卒業証書も出さない。しかし本物の大学教授などがブログを書いたりすることは日本では少ない。なぜなのだろうか?
これからは英語学習よりもコンピュータープログラミングの授業が必要になるだろう。英語ならコンピューターで同時通訳が出来るようになり、英語の論文なども日本語で翻訳が読めるようになる。ネットでは英語のサイトも日本語に瞬時に翻訳が既にできている。
日本のサービス業の生産性が低いのは、低賃金のパート労働者や非正規労働者が多いためであり、それでは一人あたりの平均所得が低く出てしまう。なぜ高賃金のフルタイムの労働者が減ってしまったのだろうか。多くの高賃金だった労働の多くがコンピューターに切り替わって来ており、経理や総務の事務員を減らしている。
日本の労働者はスコップで仕事をしているのに、生産性の高い国ではブルトーザーで仕事をしているようなものだ。コンピューターを使えるかどうかはそれくらいの生産性に差が出る。アメリカ軍はレーダーで夜間も砲撃して来るのに、日本軍は目測で砲撃していたようなものであり、日本は科学的な最新技術に対して名人芸で対抗しようとした。
これからはロボットの時代であり、自動車もコンピュータで自動運転される時代が来た。それにはプログラミングの技術が必要であり、タクシーやトラックの運転手も失業する時代がすぐそこまで来ている。コンビニの買い物もレジの無いコンビニが出来つつある。にもかかわらず日本の若者はパソコンの扱い方も知らない人が多くなっている。だから生産性も上がらない。
ただ、韓国なんかは日本以上のネット大国で、スマホやインカフェでゲームしている若者が多く、睡眠不足で時間制限しているようだけど。
日本は確かにタブレットの普及率は低い。というのは、ヨーロッパでは新聞がスタンド販売で不便なので、タブレットが新聞がわりということで、普及しているようだ。
むしろ、いつでもどこでもスマホばかりの、スマホ野郎、スマホ女郎が増え過ぎて弊害の方が大きいような気がするが。忘年会でも、若い奴の参加率が低くなった。参加しても、下向いてスマホばかり見ている。
結局は、スマホ世界への「引きこもり」ではないのか。人と人との現実的関係性を厭う若者が増えてきているようで、不気味だ。もしかすると、非婚化も、少子化も、本当はスマホによる病が原因なのではないか? そんな気もするんだよね。
需要が無いとGDPは拡大しない
需要を発生させたかったら庶民の可処分所得を引き上げなければならない
ところが新自由主義は富を偏在させるので貧富の差は開く一方だ
例えば1人の人間が1億円を持っているより、1000人の人間が10万円を持っている方が
遥かに物やサービスが購入される機会が発生し、経済が活性化しGDPが拡大する
GDPを拡大させたかったら労働者の賃金を引き上げ貧富の差を縮小することが絶対不可欠な要素
要するに現政権の押し進めている経済政策の逆のことをやればいい
生産年齢人口減少による将来の労働力不足を想定して
今の内に生産性を上げる、つまり労働者1人当たりの生産量や
時間当たりの生産量を拡大する試みは重要だが
需要が発生しなければ出来上がった財は在庫として積み上がるだけだ
>これからは英語学習よりもコンピュータープログラミング
義務教育でコンピュータを操作したり
触りでいいのでプログラミングの学習をやらせるべきだ
ところが小学生3年生から英語が必修になるのだという
碌に日本語を操れない段階から外国語を学習させるのはいい結果を生むわけないし
英語学習で他の学習を疎かにしている間に英語圏の子供に差を付けられ
国際競争力を持った人物を育成する事は難しくなるだろう
現政権は何から何まで頓珍漢というわけだ
ががあるが、完全抽選の場合自分の当落と同じに近いはずだが当選だと載せる.金利0パーの時代にノーリスクで何万何十万円.とパソコン入力だけの労働で。けいさんしょうがうその統計を長年にわたり載せていたことが発覚。世の中うそばかりじゃない.特に原発関係わ.政治家も。
書店に行くと、Python関係の書籍・雑誌が平積みされている。
この比較的習得が容易な、Pythonが使えるなら、確かにコンピューターが使える状態と言える。
下記の著者は、そういう主張はしていない。
■『入門者のLinux 素朴な疑問を解消しながら学ぶ』
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062579896
この拒否反応に、誤って入力するとエラー表示が出て、自尊心が傷つくから不愉快だという人がいる。
WEBブラウザーぐらいは扱えるだろう。
プログラミングやコマンドラインのことなら話しは別だ。
日本人がPCを使わないのは金がないからであり、家庭や学校にPCが無いだけだ。習うより慣れろというシロモノだからな。バカなシロアリ公務員が国民に重税を科しながら家庭にPCなど買えるはずもなく、学校に導入すべき予算もシロアリの給与手当に化けるから社会インフラもボロボロだ。